重賞ウィナーレポート

2017年05月05日 かしわ記念(中央交流) Jpn1

2017年05月05日 船橋競馬場 晴 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コパノリッキー

プロフィール

生年月日
2010年03月24日 07歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:29戦14勝
総収得賞金
995,144,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
コパノニキータ  by  ティンバーカントリー(USA)
馬主
小林 祥晃
生産者
ヤナガワ牧場 (門別)
調教師
村山 明
騎手
武 豊
  • 現地では梁川正普社長が観戦し、栄えある口取りに立った
    現地では梁川正普社長が観戦し、栄えある口取りに立った
  • ヤナガワ牧場生産馬&武豊騎手が上半期G1を席巻
    ヤナガワ牧場生産馬&武豊騎手が上半期G1を席巻
  • 日高町役場には、ヤナガワ牧場生産馬の優勝垂れ幕がズラリ
    日高町役場には、ヤナガワ牧場生産馬の優勝垂れ幕がズラリ

   船橋競馬場で行われた交流Jpn1、かしわ記念(Jpn1)はコパノリッキーが優勝。よもやの着外を喫した前走から巻き返し、自身9度目のG1制覇を飾った。

   本馬の生産は日高町のヤナガワ牧場。昭和42年創業で、昨年のJRA賞・年度代表馬キタサンブラックをはじめ、ダート界の横綱とも言うべき本馬、最近ではユニコーンS(G3)を制したサンライズノヴァなどを生産している。日高屈指の長打力を持った牧場だ。

   積極的な競馬を得意とする本馬ながら、かしわ記念(Jpn1)では、序盤後方からのレースとなったが、名手・武豊騎手に導かれてポジションを上げると、最後はチャンピオンの貫録を示すように差し切った。味のあるレース内容は、7歳にしてまるで衰えを感じさせない。2014年、2016年に続く3度目の同レースVという偉業を果たした。

   レース当日、牧場で観戦していた同牧場の梁川正克会長は、「優勝できて嬉しいです。この馬に関わっている皆さまのおかげですね」と、笑みを広げた。キタサンブラックが5日前にG1を制したばかりで、事務所にはお祝いの花が行列をなし、床一面を埋め尽くした。

   本馬は、父ゴールドアリュール、母コパノニキータ、母の父ティンバーカントリーという血統。母は現役時代、中央・3勝で、ダートの中距離を得意とした。母系をさかのぼると、3代母までが同牧場生産馬で、それぞれの代でトニービン、リアルシャダイといった一流種牡馬が配合された。古くから牧場が支えてきた牝馬たちと名馬の血は、おそらく本馬の並外れた底力につながっている。

   母はこれまで9頭出産していて、堅実な繁殖生活を送っている。本馬の全弟妹には、すでに競走年齢に達しているコパノレヴィーン(牝3歳)、コパノジャッキー(牡2歳)をはじめ、1歳と当歳にそれぞれ全妹がいる。兄に続けとそれぞれの競走馬としての可能性が広がる一方、子宝に恵まれ、コパノニキータの血統はますます繁栄していくだろう。

   7歳にして勲章を増やした本馬は、総獲得賞金が8億円を突破。ダート馬で夢を与える存在になっている。連覇のかかった帝王賞(Jpn1)は回避となったが、再び万全の態勢を整え、王者らしい走りでファンを熱狂させてほしい。梁川正克会長は、「まずは今後も無事に走ってきて欲しいですね。これだけの成績を残していますから、種牡馬になって欲しいし、将来も含めて期待は膨らみますね。ただ、勝ち続けることは大変ですし、馬は生き物ですから、何が起こるかわかりません。私たちも慢心することなく、強い馬づくりに励んでいきたい」と、話し、静かに本馬の道のりを見守っている。