重賞ウィナーレポート

2017年06月18日 ユニコーンS G3

2017年06月18日 東京競馬場 雨 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンライズノヴァ

プロフィール

生年月日
2014年04月09日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
430,687,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
ブライトサファイヤ  by  サンダーガルチ(USA)
馬主
松岡 隆雄
生産者
ヤナガワ牧場 (門別)
調教師
音無 秀孝
騎手
戸崎 圭太
  • 母ブライトサファイヤ
    母ブライトサファイヤ
  • 今年はエピファネイアを受胎
    今年はエピファネイアを受胎
  • 母ブライトサファイヤが暮らす厩舎
    母ブライトサファイヤが暮らす厩舎
  • 事務所はお祝いの花で溢れ返っていた
    事務所はお祝いの花で溢れ返っていた
  • ヤナガワ牧場のエントランス
    ヤナガワ牧場のエントランス

 6月18日(日)、東京競馬場で開催された第22回ユニコーンステークス(G3)は中団を追走した2番人気のサンライズノヴァが直線で一気に加速して、2着馬に4馬身差をつけて重賞初挑戦にして重賞初勝利を達成した。

 同馬を生産した日高町のヤナガワ牧場はこれまでにプライドキム(2004年全日本2歳優駿(G1))、サンライズバッカス(2007年フェブラリーS(G1))、コパノリチャード(2014年高松宮記念(G1))、コパノリッキー(2014年、2015年フェブラリーステークス(G1))、そしてキタサンブラック(2015年菊花賞 (G1)、2016年 ジャパンC (G1)、2016年天皇賞(春)(G1)、2017年天皇賞(春)(G1)、2017年大阪杯(G1))など数々の活躍馬を生産してきた牧場だ。

 レースを振り返ってヤナガワ牧場の梁川正普社長は「状態は良さそうだと関係者から聞いていましたので期待はしていましたが、今回は重賞初挑戦。この馬がどのくらい通用するものなのかと冷静な気持ちで見ていました。4コーナーをまわるときに外から勢いよく伸びてきましたので、力が入りましたが、競馬はゴールするまでわからないものです。良い足を長く使ってくれた今回のレースを見て、改めて強い馬だなと思いました。勝てて良かったです。馬には、良くやったねと声をかけてあげたい。」と安堵の表情。「競走馬が1勝するというには本当に大変なこと、その中で、こうして活躍してくれる馬が出てほっとしています。今後は、ジャパンダートダービー(Jpn1)に行く予定だと聞いています。Jpn1競走ともなれば強い馬がたくさん出て来ますので厳しい戦いになりますが、まずは重賞を勝てたのが嬉しかったです。」と笑顔で喜びの声を聞かせてくれた。

 サンライズノヴァが生まれた時、綺麗な良い仔で、そして、大きな馬体になるかなと思ったそうだ。その予感は的中し、1歳の時もどんどん伸びて順調に成長、同年9月からは同じ血統のサンライズバッカスも預けた吉澤ステーブルに移動して育成トレーニングを受け鍛えられた。

 祖母リアルサファイヤはフラワーカップ(G3)に勝ち、繁殖牝馬としてもサンライズバッカスの母となり、ヤナガワ牧場でとても大切にされていた馬。その血を受け継ぐブライトサファイヤも地方で4勝したのち繁殖になった。「良い仔を出してくれるし、リアルサファイヤの血統を残してくれたのですごく嬉しいです。サンライズノヴァの配合についてはダートで出世できるようにと、ゴールドアリュールを配合しました。今年生まれたベルシャザールの牝も垢抜けして良い馬ですよ。来年はエピファネイアの子が産まれる予定です」(梁川社長)

 コパノリッキー7歳、キタサンブラック5歳、サンライズノヴァ3歳と違う世代の重賞勝ち馬を送り出したヤナガワ牧場、その秘訣を聞いてみると「やり続ける事だと思います。これらの馬たちは、もともとは海外から導入した繁殖牝馬にさかのぼりますが、何代も日本の種牡馬を配合したあとにようやく強い馬が出てきてくれました。牧場を続けていくというのは本当に大変なのですが、続けてきたからこそ、こういう結果に結びついたのではないかと思います。あとは1頭1頭見た目や血統にこだわらず、大事に育てることだと思っています。生産牧場にいる期間というのは本当に短い期間ですので、手元にいる間はしっかりと育てたいと思っています。馬の生産というのは、終わりがないですし、答えも無いと思います。自分には足りないところがたくさんあるのですが、馬が頑張ってくれているのが、本当にありがたいです」。活躍馬生産の影には弛まぬ努力があった。

 「とくに若い方々には競馬場に足を運んで、馬1頭1頭が一生懸命走っている姿を応援して頂けたら嬉しいです。私たちはスタッフ10名が頑張っている個人牧場ですが、これからも、1勝でも多くできる馬を生産して行けるように頑張ります。」このように話す梁川社長。現役はもちろん、次世代からも多くのファンに愛されるような馬が生産されることを願ってやまない。