重賞ウィナーレポート

2017年02月18日 ダイヤモンドS G3

2017年02月18日 東京競馬場 曇 良 芝 3400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アルバート

プロフィール

生年月日
2011年02月07日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:23戦8勝
総収得賞金
401,394,000円
アドマイヤドン
母 (母父)
フォルクローレ  by  ダンスインザダーク
馬主
林 正道
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
R.ムーア

 現在の日本競馬で「No.1ステイヤー」との称号は、アルバートにこそ相応しい。初重賞制覇、そして連覇を果たしたステイヤーズS(G2)に続き、このダイヤモンドS(G3)で重賞3勝目。JRAでは芝3000m以上の重賞競走が5つ(天皇賞(春)(G1)、菊花賞(G1)、阪神大賞典(G2)、ステイヤーズS(G2)、ダイヤモンドS(G3))行われているが、そのうち、3勝をあげている現役馬はアルバートだけ。しかもこのダイヤモンドS(G3)では58㎏のハンデを背負いながらも、上がり33秒4の末脚を使って前をいく馬をごぼう抜きしていった。

 「道中は先行馬向きのスローペースで流れていましたし、直線を向いた時の位置取りを見た時には、ファンの皆さんに迷惑をかけてしまった、と思いました。それがあの末脚ですからね。能力を引き出してくれたムーア騎手には感謝しかありません」とはノーザンファーム早来の林宏樹調教主任。ムーア騎手の好騎乗こそあったにしろ、アルバートも年齢を重ねながら、更にレースぶりが安定してきたのも事実。しかし、このダイヤモンドS(G3)は決して完調で臨んだレースではなかった。

 「有馬記念(G1)の後の疲労が抜けきらず、普段は馬体を絞るのに大変な馬が、馬体を戻すのに時間がかかったと聞いています。それでも調教を続けて、いい状態でレースに出走させてくれた堀(宣行)先生や厩舎スタッフの皆さんに感謝するだけです」

 父であるアドマイヤドンの育成も手がけてきた林調教主任であるが、「アルバートの活躍を見ていると、どの辺に父が出ているのだろう?と考えることもあります」と苦笑いを浮かべる。長距離適性の高さはインティライミも輩出している母系からなのかもしれないが、このダイヤモンドS(G3)で見せた切れのある末脚は、朝日杯FS(G1)を制した父アドマイヤドン譲りとも言えるだけでなく、そのアドマイヤドンの母である二冠牝馬のベガもアルバートの芝適性を高めたのかもしれない。

 息の長い活躍を見せているところもまた、アドマイヤドン譲りと言えそうだが、その父に並び立つためにも、悲願のG1制覇が期待される。

 「先日、林オーナーと会食させていただく機会があったのですが、その時にもG1を勝たせたいと話をしていられました。この春の目標は天皇賞(春)(G1)となりますが、年齢を重ねながら凄さを増してきた感もありますし、次走は今回以上の状態で臨めそうなだけに、どんなレースをしてくれるか楽しみです」

 次走はまだ未定ではあるが、「No.1ステイヤー」として更に強さを増してきた今のアルバートなら、更にタイトルを重ねてくれるはずだ。