重賞ウィナーレポート

2016年12月25日 ホープフルS G2

2016年12月25日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レイデオロ

プロフィール

生年月日
2014年02月05日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
881,550,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ラドラーダ  by  シンボリクリスエス(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール

 今年からG1に向けて昇格申請中のホープフルS(G2)を勝利したのは、ノーザンファームの生産馬であるレイデオロ。デビューからの3戦全てで1番人気の評価を受けただけでなく、単勝オッズも常に1倍台という圧倒的な支持を集めながら、ファンの期待に応えての初重賞制覇となった。

 キャロットクラブの所属馬でもあるレイデオロだが、クラブの募集時から高い評価を受けており、その評価の高さは、騎乗育成を担当したノーザンファーム空港牧場の大木誠司厩舎長の元にも入ってきていた。

 「クラブのツアーで初めて馬体を見たのですが、身体のラインが美しく、バランスにも秀でた馬だと思いました。母のラドラーダ、そして兄弟のティソーナも知っていましたが、レイデオロはタイプの違う馬に思えました」(大木厩舎長)

 ただ、この血統ならではと言える気性の前向きさも、騎乗調教を開始したばかりのレイデオロに見受けられるようにもなっていた。

 「母や兄はマイル以下の条件で活躍しているように、この血統ならではと言える一生懸命さが、短距離適性の高さに繋がっているような印象がありました。その一方で能力の高さは競走成績にも証明されていただけに、道中の走りで我慢をさせることができれば、距離適性の幅を広げることもできるのではとも考えるようになりました」(大木厩舎長)

 騎乗調教では1頭でコースに入れるなどリラックスして走るように努め、その一方で集団調教の後ろで壁を作って折り合いも学ばせていく。それが結果となって現れたのが、葉牡丹賞、そしてホープフルS(G2)のレース内容だった。

 「2戦ともにゆったりと進められるようになっていましたし、牧場の調教では分からなかった末脚にも驚かされました」(大木厩舎長)

 そのホープフルS(G2)だが、後方からレースを進めていったレイデオロは、最後の直線で馬群を縫いながらメンバー中最速となる35秒7の末脚を使い、一気に先頭に躍り出る。2着に付けた着差は1馬身4分の1ながらも、ゴールまでの距離が伸びたのなら更にその着差は広がったような、我慢した分ため込んだ、末脚の確かさだった。

 「今年はクラシックを意識できる馬になってくれると思いますし、無事にその舞台までたどり着いてもらいたいと思うだけです」そう話す大木厩舎長の手がけた育成馬では、2012年にディープブリランテが日本ダービー(G1)を制覇している。騎乗したルメール騎手からも「2400mは大丈夫」との評価を得たレイデオロなら、その時以来となるクラシック制覇どころか、無敗の皐月賞(G1)、そして日本ダービー(G1)制覇も十分に考えられそうだ。