重賞ウィナーレポート

2016年12月11日 阪神ジュベナイルフィリーズ G1

2016年12月11日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ソウルスターリング

プロフィール

生年月日
2014年02月13日 02歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
303,323,000円
Frankel(GB)
母 (母父)
スタセリタ(FR)  by  Monsun(GER)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール

 父は現役時には14戦し、G1 10勝を含め無敗。レーティングでは過去最高の数値を獲得し、世界最強馬とも言われたフランケル。2013年シーズンから種牡馬として繋養されると、130頭の繁殖牝馬を集める。その際に配合されたのが、G1で6勝をあげたスタセリタであり、その後、社台ファームで繋養されることになったスタセリタが、2014年に誕生させた牝馬がフランケル産駒として、世界で初めてG1レースを勝利したソウルスターリングとなった。

 「血統的には特別な馬かもしれませんが、幼少期に特別扱いした記憶はありません。ただ、この頃は海外からのお客様を中心に、本当に多くの方々に姿を見ていただきました」と話すのは、社台ファームの繁殖厩舎で厩舎長を務める堀貴裕氏。この世代の繋養馬の中では、最も「馬見せ」の回数が多かったのでは、とも堀厩舎長は振り返るが、それが大舞台でも力を発揮できるほどの度胸を作り上げたのでは、とも話す。

 「幼少期の成長を担当するにあたって、フランケル、スタセリタのレース動画を可能な限り全て見ました。その時に感じたのは父譲りの体幹の強さと言うのか、放牧地の走りを見ても、ブレが無く推進してくるところは父だけでなく、ソウルスターリングにも共通していました。一方、環境の変化に動じないところは、遠征を重ねながら世界各国でレースを続けた、母譲りと言えるのかもしれません」(堀厩舎長)

 育成調教に移ってからも高い評価は変わらず、ハイスピードを持続できる走りは、牧場だけでなく、競馬場で取材をしていたトラックマンやカメラマンからも評判になっていたソウルスターリング。札幌競馬場でのメイクデビューを1番人気に応えて勝利すると、続くアイビーSも優勝。阪神JF(G1)ではまさにハイスピードを持続する走りで、直線で早々と先頭に立つと、そのまま先頭でゴール板を駆け抜ける。

 2歳牝馬最強の座を手にしただけでなく、今年の牝馬クラシック戦線でも主役を務めていることは間違いないソウルスターリングだが、堀厩舎長はこの活躍に際しても、決して浮かれた様子は無い。

 「繁殖牝馬と当歳馬たちと日々真摯に向き合って、次のステップに送り出すことで精いっぱいです。ただ、この勝利はその毎日の積み重ねが大事なんだよ、とソウルスターリングからエールを送られたように思いました」(堀厩舎長)

 今や世界中がその走りに注目するようになったソウルスターリング。今年は世界にその名を轟かすような活躍を残し、その姿を見た堀厩舎長は、より仕事の励みとしていくに違いない。