重賞ウィナーレポート

2016年12月11日 カペラS G3

2016年12月11日 中山競馬場 晴 良 ダ 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ノボバカラ

プロフィール

生年月日
2012年04月08日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:23戦7勝
総収得賞金
289,299,000円
アドマイヤオーラ
母 (母父)
ノボキッス  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
(株) LS.M
生産者
萩澤 泰博 (三石)
調教師
天間 昭一
騎手
内田 博幸
  • 萩澤さんと優勝記念の横断幕
    萩澤さんと優勝記念の横断幕
  • お祝いの花が並ぶ
    お祝いの花が並ぶ
  • 放牧地と花を栽培するビニールハウスが並ぶ
    放牧地と花を栽培するビニールハウスが並ぶ
  • 牧場看板
    牧場看板

 暮れの短距離ダート重賞としてすっかり定着した第9回カペラステークス(G3)が12月11日に中山競馬場で行われ、3番人気に推されたノボバカラが激しい先行争いを制してハナに立つと、最後まで脚色が鈍ることなく後続に影をも踏ませぬ快勝で3つ目の重賞タイトルを手に入れた。

 同馬の生まれ故郷は新ひだか町三石の萩澤泰博牧場。現在は約10ヘクタールの敷地に5頭の繁殖牝馬を繋養する傍らで、14棟のビニールハウスを設置して花卉栽培農家を兼業している。

 「初めて重賞を勝ったかきつばた記念(Jpn3)の時は、ちょうどゴールデンウィークだったので、3人いる息子たちが名古屋まで応援に行ってくれたんですが、今回は家族全員で自宅のテレビの前に集まって応援していました。ゲートが開いた瞬間からもう全員で叫びっぱなしでしたよ」と笑いながら話すのは代表の萩澤泰博さん。

 「10年ちょっと前までは預託をメインにアラブの生産もしていたんだけど、アラブ競馬が衰退し、そんな矢先に預託のオーナーが亡くなったりで、もしかしたら預託馬がいなくなってしまうのではと考えた時期もありました。そのタイミングで農協から何か違うこともやらないかって話になって、自分は牛にあまり興味がなかったから『他に何かないか?』って聞いたら花を勧められ、それがキッカケで花卉栽培をスタートすることになったんですよ。馬は俺が社長だけど花は母ちゃんが社長だから、花の仕事を手伝うときは俺が従業員なんだけどね(笑)」

 ノボバカラの母親にあたるノボキッスが萩澤さんの元にやってきた経緯について尋ねると、「オータムセールだったかな?せりの数日後にいきなり電話が鳴って、『繁殖の預託をお願いしたいから一度牧場を見に行きたい』って。それがキッカケで預かった繁殖がノボバカラの母親でもあるノボキッスなんですよ。最初の3年はオーナー所有のノボトゥルーを種付けしたのですが、そろそろ違う種牡馬も付けてみようって話になり、種牡馬入り直後のアドマイヤオーラに白羽の矢が立ったんです。ノボキッスの仔は比較的仔出しが良かったのですが、ノボバカラはその中でも一番のデキでしたね。ただ気の強さもなかなかのもので、扱いも大変でしたよ」。

 その後は日高町のグリーンマイルトレーニングセンターで育成され、美浦の天間厩舎からデビューすることになるが、萩澤さんも現在の活躍はまったく想像していなかったそうだ。

 「これまでも中央で勝ち上がった馬はいたけど、まさか重賞を勝てるまでになってくれるとは思いもしませんでした。それも今年だけで3つも勝ってくれるなんて、本当に夢のような話です」。家族経営の小さな牧場に大きな喜びをプレゼントしたノボバカラ。来年はさらなる大舞台での活躍を願うばかりだ。