重賞ウィナーレポート

2016年11月12日 武蔵野S G3

2016年11月12日 東京競馬場 晴 重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タガノトネール

プロフィール

生年月日
2010年05月12日 06歳
性別/毛色
せん/鹿毛
戦績
国内:38戦8勝
総収得賞金
223,078,000円
ケイムホーム(USA)
母 (母父)
タガノレヴェントン  by  キングカメハメハ
馬主
八木 良司
生産者
有限会社新冠タガノファーム (新冠)
調教師
鮫島 一歩
騎手
田辺 裕信

 チャンピオンズカップ(G1)を目指す馬たちによる「第21回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(G3)」は新冠町の新冠タガノファーム生産タガノトネールが2番手追走から早めに抜け出して先頭ゴール。1分33秒8は足抜きの良い馬場とはいえ、今年のフェブラリーSでモーニンが記録した1分34秒0をコンマ2秒更新するコースレコード。父のケイムホームにとっては、12年のファンタジーステークス(G3)(勝ち馬サウンドリアーナ)以来のJRA重賞勝ちとなった。

 牧場作業の合間を縫ってテレビ観戦していたという田沼正美場長は「人気もありません(8番人気)でしたし、気楽な気持ちで見ていたら、どんどんゴールが近づいてくるような印象でした。勝ってびっくりでしたし、時計を見てもっとびっくりしました」と想像を超えた愛馬の強さに舌を巻いた。

 昨年は、ハナ差2着と敗れたレース。「昨年は、厳しいローテーションでしたが、今年はしっかりと間隔を空けて使われているのも良かったと思います。枠順にも恵まれたと思います」と冷静に分析したあと「考えてみれば、昨年の2着馬で、マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)2着。人気を落としたときに勝つと、ファンのみなさんに怒られちゃいそうですが、(ケイムホームを繋養している)日本軽種馬協会の方からもお祝いをいただきました」と冗談交じりに喜びを語ってくれた。

 2歳違いの半弟タガノエスプレッソは、2014年のデイリー杯2歳S(G2)優勝馬だ。「タガノトネールが初仔ですから、初仔から2年連続で重賞勝ち馬を送り出したことになります。母タガノレヴェントンは、社台コーポレーション白老ファームの生産馬。競走馬としては良いところがなかったですが、現在2歳のタガノヴェローナも新馬戦で見せ場たっぷりの2着ですから、名繁殖牝馬と言っても良いと思います。黄菊賞に勝たせてもらったタガノアシュラの母も白老ファームの馬。いつも言うように、今の新冠タガノファームがあるのは白老ファームのおかげ。本当に感謝しています」と言葉を重ねた。

 「牧場時代は、やんちゃな馬でした。母親も決しておとなしい馬ではないので、そういう前向きな気性がレースで良い方向に向くのかもしれません。母親は今年、オルフェーヴルの牡馬を生んでくれました。6年連続で仔馬を生んでくれましたので、今年は空胎です。しっかりと充電して、良い状態で来年の春を迎えたい」と前を向いている。