重賞ウィナーレポート

2016年10月02日 スプリンターズS G1

2016年10月02日 中山競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レッドファルクス

プロフィール

生年月日
2011年04月12日 05歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:18戦8勝
総収得賞金
469,240,000円
馬主
(株) 東京ホースレーシング
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
尾関 知人
騎手
M.デムーロ

 今年のプロ野球界において、主役を務めた選手と言えば、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手。投手としては3年連続での二桁勝利となる10勝を記録し、打者としては規定打席数には達しなかったものの、打率.322、22本塁打を記録。これまでの日本プロ野球界にいなかった「二刀流」選手として今年の北海道日本ハムファイターズのリーグ制覇、そして日本一に大きく貢献した。

 一方、近年の競馬界を代表する「二刀流」の競走馬とは、芝、ダート問わない活躍をみせるレッドファルクスとなるのだろう。芝、ダートの双方で勝ち鞍を重ねていきオープン入りを果たすと、CBC賞(G3)で重賞初制覇を果たし、ついにはこのスプリンターズS(G1)でG1勝利もあげてみせた。

 「厳しい流れだったのか、最後の直線ではどの馬も同じような脚色になったところから抜け出てきてくれました。この辺はM.デムーロ騎手、さすがの手腕だったと思います」と社台ファームの東礼治郎調教主任は激戦を振り返る。

 社台ファームではこの世代から育成の見直しを始め、通年夜間放牧で心身共に厳しく育ててきた結果が、古馬となってからの更なる成長にも繋がっている印象を受ける。

 「育成期は背腰の筋肉が張りやすい面があったものの、それを克服できたのも基礎体力があったからこそではないでしょうか。このレースで証明された勝負根性も、幼少期から厳しい局面に馬を負い込んできた成果なのかもしれません」

 2着ミッキーアイルとの差は僅かアタマ差であり、3着までが同タイムという大接戦を突き抜けたのは、M.デムーロ騎手の好騎乗だけでなく、その騎乗に応えるだけの体力、精神力もレッドファルクスには備わっていたと言えるだろう。

 この勝利でより高い芝適性が証明された印象も受けるレッドファルクスではあるが、陣営からはJBCスプリント(Jpn1)出走のプランもあったところは、さすが「二刀流」という気がしてくる。

 「次のレースは香港に遠征(香港スプリント(G1))と聞いています。鞍上も引き続きM.デムーロ騎手になるようですし、頑張って欲しいです」

 大谷翔平選手は、その活躍が評価されて、いまやメジャーリーグも注目する選手となっている。レッドファルクスもまたここで勝利して、世界にその名を轟かすような競走馬となるのかもしれない。