重賞ウィナーレポート

2016年10月09日 毎日王冠 G2

2016年10月09日 東京競馬場 曇 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ルージュバック

プロフィール

生年月日
2012年04月22日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:11戦5勝
総収得賞金
346,485,000円
マンハッタンカフェ
母 (母父)
ジンジャーパンチ(USA)  by  Awesome Again(CAN)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
大竹 正博
騎手
戸崎 圭太

 牝馬が毎日王冠(G2)を勝利するのは、なんと23年ぶり。このレースを牝馬があまり使わないこともあるが、それでも並み居る牡馬を相手に、ルージュバックが快挙を達成した事実は高く評価されるべきだろう。

 「この条件はルージュバックに合っていると思っただけに期待もしていましたが、それでも、あれだけの出走馬たちを相手に1番人気の支持をいただいただけでなく、勝利をあげたことも驚きでした」と話すのは、育成調教をに関わってきた、ノーザンファーム空港牧場の窪田淳調教主任。ルージュバックの重賞勝利はこれで3勝目となったが、不思議なことに牝馬限定の重賞は一つも無く、全て一線級の牡馬を退けてきている。

 「エプソムカップ(G3)の後は疲れもあったのか毛づやも落ちてしまっていました。今回は状態が上向きの中で臨んだレースだと聞いていたので、次に繋がるレースになればと思っていたのは事実です。それだけに、この馬の強さを改めて実感できました」

 この毎日王冠(G2)、12頭の出走馬では唯一の牝馬となったルージュバックは、道中を後方から追走。1000m通過は60秒3と決して流れは向いていなかったが、最後の直線でメンバー中最速となる上がり3ハロン33秒4の末脚を使い、最後はアンビシャスとの叩き合いを制してみせる。次走は天皇賞(秋)(G1)に出走と予定しているが、ここでも人気の中心になることは間違いない。

 「育成厩舎のスタッフとも、天皇賞(秋)(G1)がルージュバックに最も向いているG1レースなのではとの見解が出ていました。メンバーは更に強くなりますが、ルージュバック自身も更にいい状態でレースに臨めるはずです」

 2歳時から能力の片鱗を見せ始め、3歳時にはきさらぎ賞(G3)で重賞を初勝利。その後はオークス(G1)で2着など、牝馬クラシック戦線を沸かせてきたルージュバック。その活躍の一方で、窪田調教主任は本当に良くなるのは古馬となってからとの考えもあったと話す。

 「大竹厩舎、ノーザンファーム天栄のスタッフと成長力を損ねること無く、ここまでレースを使ってくれたからこそ、今になって充実期を迎えた印象も受けます。ゆくゆくは『名牝』と呼ばれる馬にもなれるとも思っていますし、その先には繁殖牝馬となって、更にその優れた血を後世へと繋いでくれるような馬にもなってくれるはず。そのためにもこれからのレースで更にタイトルを重ねてもらいたいです」

 ノーザンファーム生産馬、そして窪田調教主任の元を巣立った育成馬では、今年の宝塚記念(G1)で牡馬を一掃したマリアライトの名前もある。そのマリアライトと同様に、ルージュバックもまた、出走が予定されている天皇賞(秋)(G1)で芝中距離界の頂点に立ち、「名牝」としての称号を得る馬になるはずだ。