重賞ウィナーレポート

2016年07月03日 ラジオNIKKEI賞 G3

2016年07月03日 福島競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゼーヴィント

プロフィール

生年月日
2013年05月12日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
163,840,000円
ディープインパクト
母 (母父)
シルキーラグーン  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
木村 哲也
騎手
戸崎 圭太

   今年の日本ダービー馬、マカヒキを送り出したノーザンファーム空港牧場のB-2厩舎から、再び重賞馬が誕生した。

   民間の育成施設では、最多となる500馬房を有するノーザンファーム空港牧場だが、その中でB-2厩舎は最も管理頭数が少なく、マカヒキを含めた3歳世代では18頭しか管理を行っていない。

   にも関わらず、日本ダービー(G1)にはマカヒキの他にイモータル(サウジアラビアRC2着、共同通信杯(G3)2着)も駒を進め、そしてラジオNIKKEI賞(G3)はゼーヴィントが優勝を果たした。

   「ゼーヴィントも育成時から期待をしていた馬であり、その意味では期待に応えてくれたと言えますが、それでもこの3歳世代の活躍は出来過ぎなような気もしています」とマカヒキの育成調教も手がけた樋口政春厩舎長は笑顔を見せる。

   そのゼーヴィントだが、半兄のザイディックメアの育成も手がけたという、なじみのある血統馬であった。

   「兄弟に共通していたのは気の強さでした。ただ、ディープインパクトが出ていたのか、馬体は兄よりもすらっとしていて、動き、乗り味共に高い評価をしていました」

   その頃にはマカヒキやイモータルと共に調教を行っていたというゼーヴィント。今から思うと豪華すぎる程の併せ馬と言えそうだが、そこで切磋琢磨したことが、この成績に繋がっているのかもしれない。

   マカヒキやイモータルよりも遅い、3歳3月の勝ち上がりとなったゼーヴィントではあったが、そこから連勝してプリンシパルSに出走。3着にこそ敗れたが、もし、ここで勝利をあげていれば、B-2厩舎は日本ダービーに3頭出しを果たしていたことになる。

   「クラシックに乗ってくれればと思っていたので、3着という結果は残念でしたが、それでも、3歳のこの時期に重賞を勝ってくれたことはとても嬉しく思います。この世代の育成馬は総じて優秀な成績を残してくれていますが、それだけにこれからデビューを迎える2歳世代、そして育成も始まる1歳世代にも、この勢いが伝わって欲しいです」

  まだマカヒキ、イモータルとは対戦が無いゼーヴィントではあるが、重賞馬となったこれからは、幾度に渡って対戦する機会も出てくるはず。育成調教で追いつ追われつの争いをした僚馬と、次はどんな名勝負が繰り広げられるのか楽しみでならない。