重賞ウィナーレポート

2016年04月24日 マイラーズC G2

2016年04月24日 京都競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クルーガー

プロフィール

生年月日
2012年04月26日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:11戦5勝
総収得賞金
200,096,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
アディクティド(GER)  by  ディクタット(GB)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
高野 友和
騎手
松山 弘平

 ダート戦でのデビュー、そして初勝利もダート戦ながら、昨年の夏には札幌競馬場の芝2600mで一番人気の支持を背負い、そして初重賞制覇は芝のマイルで行われたマイラーズC(G2)。まさに「オールマイティな競走馬」との印象がするクルーガーであるが、実際に牧場でその姿を見てきたノーザンファーム空港牧場の細田誠二厩舎長には、どのような馬に映っていたのだろうか?

 「馬体の良さといった外見的な印象からすると、ダート馬だったとも言えます。しかし、その馬体の印象とはまた違った、軽さのある走りからは芝適性の高さも感じさせますし、心臓が強く、折り合いも付けられるということからすれば、長距離のレースでもこなせたというのも納得がいきます」(細田厩舎長)

 クルーガーの管理をする高野友和調教師は、ノーザンファーム空港牧場時代に共に仕事をしてきた仲でもあり、デビュー前から頻繁に連絡も取り合ってきたというが、ダートでのデビュー戦と知らされた時も、迫力のある動きをしていた姿からして、なんら不思議では無かったとも話す。

 「牧場にいた頃から折り合いには苦労のない馬でした。京成杯(G3)の後に骨折が判明して、こちらで管理をすることになったのですが、あまりにもおとなしくて、乗り始めた時期には、入社したばかりのスタッフを跨がらせていたほどです」(細田厩舎長)

 そのスタッフは、後にクルーガーが重賞馬となったことをとても喜んでいたというが、では、初重賞勝利となったマイラーズC(G2)を振り返ってもらいたい。

 「決してスタートは良くない馬でしたが、脚をためて切れを生かすレースをしていたので、位置取りが後ろになっても不安はありませんでした。むしろ、最後の直線では空いたインコースを付いてくれた松山騎手の好騎乗だったと思いますし、そこまで折り合いも付いていたように、クルーガーの持ち味が最大限に発揮できたレースだと思います」(細田厩舎長)

 レース後、陣営からは安田記念(G1)への出走が表明されたが、細田厩舎長はマイルは勿論のこと、より距離が伸びても対応できると思っている。

 「これまでのレースからしても、芝の中距離にも適性の高さを感じさせますし、最近になってからの安定したレース内容からしても、様々な条件で適性を見たくなってきます。直線の長い東京コースで行われる安田記念(G1)はクルーガーに向いていると思いますし、そこでもいい末脚を見せてもらいたいですね」(細田厩舎長)

 近年まれに見る、「オールマイティな競走馬」となりそうなクルーガーの伝説は、この安田記念(G1)から始まるのかもしれない。