重賞ウィナーレポート

2016年02月07日 東京新聞杯 G3

2016年02月07日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スマートレイアー

プロフィール

生年月日
2010年05月15日 06歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:19戦7勝
総収得賞金
479,844,000円
ディープインパクト
母 (母父)
スノースタイル  by  ホワイトマズル(GB)
馬主
大川 徹
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
大久保 龍志
騎手
吉田 隼人
  • 本馬の母スノースタイル 写真提供:岡田スタッド
    本馬の母スノースタイル 写真提供:岡田スタッド
  • 生まれたばかりの本馬の全妹・当歳(父ディープインパクト) 写真提供:岡田スタッド
    生まれたばかりの本馬の全妹・当歳(父ディープインパクト) 写真提供:岡田スタッド
  • 本馬の半弟・2歳(父マンハッタンカフェ) 写真提供:岡田スタッド
    本馬の半弟・2歳(父マンハッタンカフェ) 写真提供:岡田スタッド
  • 新ひだか町静内にある岡田スタッド
    新ひだか町静内にある岡田スタッド

 東京競馬場で行われたマイル重賞、東京新聞杯(G3)は紅一点のスマートレイアーが奇襲の勝利。これまでの控える競馬から一転してハナを奪い、13頭を引き連れて直線に向くとそこから更に突き放し、キレ味鋭いライバルを封じてみせた。

 本馬の生産は新ひだか町静内の岡田スタッド。1972年設立で、新ひだか町静内目名に本拠地を置き、他にグループ牧場として日高町厚賀にオカダスタッド、新ひだか町静内豊畑と福島県にノルマンディーファームを構える。過去にはG1馬マツリダゴッホやスマートファルコン、現役馬では昨年、東京大賞典(G1)を制したサウンドトゥルーを生産している。

 レースの感想を語ってくれたのは、本馬の幼少期を育てたオカダスタッド代表の岡田将一さん。「逃げて突き放す競馬で、強い内容でしたね。初騎乗ながら吉田隼人騎手の判断も良かったと思います。これまでは後ろから行く競馬が多くて、他力本願な面がありましたが、前々の競馬で本領を発揮できましたね。脚質に幅が出ましたし、今後が楽しみになりました」と、声を弾ませる。東京競馬場へは同牧場グループの馬主クラブ、ノルマンディーオーナーズクラブ代表の岡田壮史さんが応援に駆けつけており、栄えある口取りに立った。

 本馬は父ディープインパクト、母スノースタイル、母の父ホワイトマズルという血統。2010年に母の4番仔として誕生した。スノースタイルは仔出しの良い母馬で、岡田さんによれば、総じてお尻が大きく、頑丈な産駒が多いという。

 今年2月3日には本馬の全妹となる当歳馬が同牧場で誕生しており、その4日後に本馬が重賞制覇と、嬉しい話題が続いた。当歳馬について岡田さんは、「まだ生まれて間もないですが、スマートレイアーと似ているところを感じますね。全姉と同等の、大きな期待を抱いていますよ」と、全姉妹による重賞制覇を目指している。

 また、同牧場グループのノルマンディーファーム(新ひだか町静内)では、本馬の半弟になる2歳馬(牡、父マンハッタンカフェ)が育成中で、ノルマンディーオーナーズクラブ募集馬として、栗東・河内洋厩舎へ入厩予定となっている。こちらについて岡田さんは、「順調に育成が進んでいますよ。父がマンハッタンカフェで、スマートレイアーとは少しタイプが違いますが、すごくバランスのとれた馬で、走るフォームは良いですよ。高い能力を感じています」と、デビュー戦へ向けて覚えておきたい一頭だ。すでに馬名は「プラチナムバレット」(プラチナの弾丸)に決まっている。

 2歳王者のダノンプラチナをはじめ、マイル戦線を歩む強豪牡馬を負かしての勝利で、春へ向けて弾みをつけた本馬。今回と同じ舞台で行われるヴィクトリアマイル(G1)には2年連続で駒を進めており、今年も出走となれば上位争い必至だろう。岡田さんは、「今年で明け6歳となりますが、3歳春の遅いデビューでしたし、出走したレース数もそう多くないですからね。まだまだ飛躍を望める馬だと思います。今回の勝ちっぷりから、春のG1でも有力馬になれるでしょう」と、改めて最高の舞台を意識する。6歳春にして進化を遂げる走りを見せ、その自在性はライバルにとって大きな脅威。約半年ぶりの先頭ゴールは、頂点へ向けての加速につながっていきそうだ。