重賞ウィナーレポート

2015年08月02日 アイビスサマーダッシュ G3

2015年08月02日 新潟競馬場 晴 良 芝 1000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベルカント

プロフィール

生年月日
2011年03月02日 04歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:14戦4勝
総収得賞金
260,703,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
セレブラール  by  ボストンハーバー(USA)
馬主
前田 幸治
生産者
土居 忠吉 (三石)
調教師
角田 晃一
騎手
M.デムーロ
  • 放牧地の母セレブラールと当歳(牝、父ロードカナロア)
    放牧地の母セレブラールと当歳(牝、父ロードカナロア)
  • お祝いのお花
    お祝いのお花
  • きれいに整備された場内
    きれいに整備された場内
  • かわいらしく飾られた厩舎前
    かわいらしく飾られた厩舎前
  • 分場
    分場
  • 牧場入り口に設置している看板
    牧場入り口に設置している看板

 夏の新潟競馬開幕2日目。サマースプリントシリーズ第3戦となる第15回アイビスサマーダッシュ(G3)は、ベルカントが1番人気に応えて快勝した。名物の直線1000mで争われたこのレース、終始外ラチ沿いを先行したベルカントは、残り200mあたりで更にスピードに乗ると、2着シンボリディスコに2馬身差をつけて優勝した。1年5か月ぶりとなる勝利で重賞3勝目を掴み取った。

 新潟競馬場で前田幸治オーナーや大山ヒルズの方々と応援していた土居牧場の土居正芳さんは「本当に嬉しかったです。復活したなぁという感じです。」と喜びいっぱいの笑顔を見せた。「残り200mぐらいで、『よしっ。いける。』と思わず声が出ました。強い競馬でした。馬体もさらに一回り筋肉が大きくなったなぁと感じました。大山でみっちり鍛えてもらったおかげですね。これもオーナーをはじめ大山ヒルズや調教師の皆さんのおかげです。」

 ベルカントの生産牧場は、新ひだか町三石富沢の土居忠吉さん。現在は、息子の正芳さんへと継がれ、牧場名も土居牧場となっている。ご両親と正芳さん夫妻の家族4人で、預託馬と自家用馬合わせて20頭ほどの繁殖馬を育てている。約50年前に先代の土居唯男さんが創業し、水田やアラブの生産を経て、忠吉さんの代でサラブレッドを導入。その際ノースヒルズマネジメントの前田オーナーに大変お世話になったそうだ。ご縁はその後より深くなり、正芳さんは牧場修行をノースヒルズマネジメントで積ませてもらい、現在の三代目を継いだ。

 牧場内はあちらこちらに鮮やかな花や木が植えられており、きっちりと掃除がされている。環境整備への高い意識を感じる。「牧場をきれいにすることは常に心がけています。花は鹿に食べられてしまうことも多くて、植え替えが結構大変ですけどね。」お客様からは「いつ来てもきれいにしている」と、言ってもらえるそうだ。細かなところまで手入れが行き届いている場内の姿は、常日頃の馬の育て方へと繋がっているのではないだろうか。

 当歳の離乳時期までをここで過ごしたベルカント。「馬っぷりが良かったのでとても印象に残っています。順調でケガも病気もしない仔でした。放牧地では、母譲りの強い気性で他の馬を蹴散らしていましたが、人間には従順でしたね。」と、正芳さんは振り返った。「特別なことは何もしていないです。日々、ノースヒルズで学ばせてもらったことを忠実に行い、生産馬が全頭勝ちあがれるように模索しながら、健康に育てるだけです。」

 今年、母のセレブラールはロードカナロアの牝馬を出産した。「良い馬です。骨格もしっかりしているし、筋肉・骨量とも豊富で、姉以上に期待してしまいます。」と正芳さんの顔からは自然と笑みがこぼれた。本年もロードカナロアを種付けしたそうで、そのことからも期待度が伺える。

 ベルカントの次走はサマースプリントシリーズ第4戦の北九州記念(G3)を予定。正芳さんは「今後も無事に走って、大きいところを獲ってほしい」とエールを送る。ベルカント=美しい歌を競馬場に響かせてくれることを期待したい。