重賞ウィナーレポート

2015年03月07日 オーシャンS G3

2015年03月07日 中山競馬場 曇 稍重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サクラゴスペル

プロフィール

生年月日
2008年04月04日 07歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:27戦8勝
総収得賞金
313,174,000円
サクラプレジデント
母 (母父)
サクラブルース  by  Cure the Blues(USA)
馬主
(株) さくらコマース
生産者
山田牧場 (静内)
調教師
尾関 知人
騎手
戸崎 圭太
  • サクラブルース
    サクラブルース
  • サムライハートを受胎
    サムライハートを受胎
  • 山田牧場の風景
    山田牧場の風景
  • 明るく清潔な厩舎
    明るく清潔な厩舎
  • 懐かしい2年前の優勝写真
    懐かしい2年前の優勝写真

 高松宮記念(G1)の前哨戦「オーシャンステークス(G3)」は、一昨年の優勝馬サクラゴスペルが中団待機から最後の直線で大外からグングンと猛追。ゴールでは、3/4馬身差をつけて差し切り勝ちを果たした。直前の追い切り調教が前半と後半でちぐはぐな印象だったためか7番人気という低評価のなかの久々の勝利だった。

 サクラゴスペルは新ひだか町にある山田牧場の生産馬。近くに静内川があり、3厩舎を所有。きれいな水と広大な土地という恵まれた環境で繁殖牝馬7頭、明け1歳6頭を繋養している。戦後間もなく祖父の喜平さんがこの土地を開き、現在の代表嘉昭さんで3代目となるそうだ。子供の頃から家業を見つめ携わり、何事も察する力を培って来た。代表となった今も、毎日を大切にやるべき事を誠実にこなし、日々を紡いでいる。

 レースは自宅で家族と観戦していたという嘉昭さんは掲示板に載ってくれたら良いなという気楽な気持ちでスタートを待っていた。ところがレースが始まり、向こう正面でジリジリと下がって行くのが見え「これはもう掲示板も無理かな」と諦めかけたのもつかの間、坂を上がってからの猛追でサクラゴスペルが一昨年に次いでオーシャンステークス(G3)V2をやってのけた。「勝つときはああいう風に勝つんですよ。勝てない時は、あれが届かない。」静かな微笑みの中に喜びが満ちている。「オーシャンステークス(G3)という同じレースを2勝できた事が嬉しいですね、なかなか出来ることでは無いですから。この調子で、G3、G2、G1と、勝ち進んでくれたら良いですね。」期待に胸が膨らむ。

 サクラゴスペルは04'中山記念(G2)に勝利したサクラプレジデントの産駒。2011年1月の新馬戦でデビュー勝ちし、大崩れすることなく掲示板に載る事が多かった。2012年明け2連勝後は成績を上げられなかったが11月、12月と2連勝、2013年3月オーシャンステークス(G3)で3連勝を成し遂げた。その後の成績はふるわなかったためそれ以来となる2年ぶりの勝利は喜びもひとしおだ。

 お祝いのために贈られたたくさんの華やかな花かごで賑わう接待室「こんなに花を飾る事ができるのもサクラゴスペルのおかげです。オーナーからは、祝勝会後に連絡をいただきました。嬉しいですね。今まで大きな病気も怪我もなくやって来られたのは、尾関厩舎が管理をしっかりやって下さっているからだと思います。それぞれ本当にありがたいことです。」(嘉昭さん)

  山田牧場に就職し今年で15年目となる中島剛さんは「個人牧場生産で重賞に勝ってくれるなんて、めったにないので携わることができてとても嬉しいです。体質に弱い面があるようなので時間をかけてじっくりと力をつけて来たのでしょう。高松宮記念(G1)に出走し、結果を出してくれるように望んでいますが、中山競馬場の芝1200mと相性が良いようなのでスプリンターズステークス(G1)にも出走してチャンスをものにしてくれたらと期待しています。」と嬉しそうに話してくれた。

 母サクラブルースは手間もかからず性格も良く、経験も豊富なので子育て上手なのだそうだ。「サムライハートを受胎していて近々出産を迎えます。私共の所有馬になってから初めての出産となりますので楽しみですよ。先ずは無事に出産してもらう事、それから順調に育てば2~3年後にはデビューになります。怪我なく病気なく、無事に育ってくれることを願っています。」(山田嘉昭さん)

 広大な放牧地で豊富な青草をたっぷりと食み母子共に馬体を充実させ、スタッフの手厚い愛情を受けたサクラゴスペル。その名の通り、春の爽やかな風に乗ってゴスペル(良い知らせ)が届けられるのが待ち遠しい。