重賞ウィナーレポート

2015年03月08日 弥生賞 G2

2015年03月08日 中山競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サトノクラウン

プロフィール

生年月日
2012年03月10日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
486,036,000円
Marju(IRE)
母 (母父)
ジョコンダⅡ(IRE)  by  Rossini(USA)
馬主
里見 治
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
福永 祐一

 今年の弥生賞(G2)は、メイクデビュー、東京スポーツ杯2歳S(G3)と、デビューからの2連勝でこのレースに臨んだサトノクラウンが優勝。過去にデビューからの3連勝で弥生賞(G2)を制したのはアグネスタキオン、ディープインパクトの2頭のみ。そして2頭共に皐月賞馬となっている。

 「今回はメイクデビュー、東京スポーツ杯2歳S(G3)より1ハロン延びましたが、距離の不安などは一切感じさせない、自分の想像を超えるようなレースを見せてくれました」とは、サトノクラウンの育成調教に携わった、ノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任。犬伏調教主任にはサトノクラウンが東京スポーツ杯2歳S(G3)を制した時にもお話を聞かせていただいたが、その際、芝の短距離でも通用しそうな馬という、今のレースぶりからは想像できないような話を聞かせてもらった。

 「姉はスプリントのG1勝ち馬(チヴァリーパークS(G1)を制したLightening Pearl)であり、調教でも前向きな一面をのぞかせていたおり、距離が延びてからもこのスピードが生かせるのか?と思ったのは事実です」(犬伏調教主任)

 実際に東京スポーツ杯2歳S(G3)のゲートでは立ち上がりかけるなど、気性の激しさをのぞかせていたが、この弥生賞(G2)ではゲート内でも落ち着きを見せ、スムーズにスタートを決める。有力馬がひしめき合う中、最後の直線ではいち早く抜けだして、後続の追撃を振り切ってみせる、横綱相撲としか言いようのないレースだった。

 「東京スポーツ杯2歳S(G3)の後、ライアン・ムーア騎手が『距離は延びても大丈夫』と話していましたが、改めてその事実を証明してくれたようなレースでした。また、ムーア騎手、メイクデビュー、そして今回の手綱を取った福永騎手共に『操縦性も高い馬』と話していますが、だからこそ距離の不安を感じさせないような走りができるのかもしれません」(犬伏調教主任)

 それにしても弥生賞(G2)を無敗で制した2頭のその後の活躍に加え、牡馬クラシック戦線のトライアルながら、本番を思わせるような好メンバーが揃った中での完勝。今、最も皐月賞(G1)に近い馬とも言えるが、犬伏調教主任は決して楽観視はしていない。

 「今後のトライアルでまだ強いレースを見せる馬も出てくるかもしれませんし、フルゲートでどんな競馬をするかなど未知数な面も残されています。それでも過去に弥生賞(G2)を無敗で制した馬の成績や今回のレース内容を見ても、皐月賞(G1)が楽しみになったのは事実です。そして何よりも、お世話になっている里見オーナーの馬で、これだけの期待感を持ってクラシックに挑めることが嬉しいですね」(犬伏調教主任)

 犬伏調教主任の想像を超える馬となったサトノクラウンだが、皐月賞(G1)では想像通りと言える最高の結果を残してくれそうだ。