重賞ウィナーレポート

2015年01月18日 京成杯 G3

2015年01月18日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベルーフ

プロフィール

生年月日
2012年01月21日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
150,209,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
池江 泰寿
騎手
川田 将雅

   皐月賞(G1)と同じ、中山競馬場芝2000mで行われる京成杯(G3)。一足早いクラシック前哨戦とも言えるレースを制したのは、3番人気の支持を集めたベルーフだった。

   このレース、ベルーフは大外の17番ゲートからの発走となる。有馬記念(G1)での枠番公開抽選では、クジを引き当てた関係者が内枠から埋めていき、最後に残ったのは大外18番だったことからしても、中山コースで8枠が不利なのは周知の事実。しかし、ベルーフはそんな不利をはね除けただけでなく、前残りの傾向にあった芝のレースにおいて、上がり3ハロン最速である34秒8の末脚を使い、ゴール前では測ったかのようにハナ差だけ抜け出した。

   「枠を見た時、大外は決して良くないなと思ったのは事実です。レースも馬群の外を回るような展開となりましたが、それでも最後に前を行く馬を捕らえたのは、さすがこの血統ならではと言えるでしょうね」とは白老ファームの橋本裕充場長。その橋本場長が話す「この血統」というのは、白老ファームにとっての看板牝系となっている、ゴールデンサッシュを祖とする牝系を指す。

   「(ゴールデン)サッシュ系に共通するのは、レースで見せる闘争心の強さ。叔父に当たるステイゴールド、そして母のレクレドールも、それがレースで発揮されていました」(橋本場長)

   毎年の様に産駒を送り出したゴールデンサッシュは、ステイゴールドのような牡馬だけでなく、牝馬も多く産まれており、孫に当たる世代からもショウナンパンドラ(秋華賞(G1))、ドリームパスポート(神戸新聞杯(G2)、きさらぎ賞(G3))のような馬が牝系の優秀さを証明している。しかし、ゴールデンサッシュの娘で、最も優れた競走成績を残していたレクレドールの子供たちからは、不思議と重賞馬が現れてはいなかった。

   「我々としてもレクレドールが、(ゴールデン)サッシュ系の根幹血統となってくれると思っていただけに、いつか母のような重賞馬をとの思いは強く持っていました」(橋本場長)

   そこに力を貸したのが、この3歳世代が日本での初年度産駒となるハービンジャーだった。現役時はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)を、記録的な大差で勝利。その時にはレースレコードも塗り替えるなど、高いスピード能力も持ち合わせていることを証明したハービンジャーは、ベルーフのような母系にサンデーサイレンスの血を持つ牝馬との相性も良く、続々と勝ち馬を量産していく。

   この産駒の活躍もあって、昨年はフレッシュサイアーの首位に立ち、この世代の新種牡馬では、ヴァーミリアン(ノットフォーマルがフェアリーS(G3)を勝利)に続く、産駒の重賞勝ちを果たして見せた。

   「ゴール前は現役時のハービンジャーを彷彿とさせるような末脚を見せてくれたとも言えました。これでレクレドールの産駒の欄に、重賞勝ち馬であることを証明する黒い太文字が記入できたこともまた嬉しいです」(橋本場長)

   昨年はイスラボニータ(皐月賞(G1))、ショウナンパンドラと、2頭のクラシック馬を送り出した白老ファームだが、今年もベルーフが賞金面でのクラシック出走を確定。その他にも3歳世代には楽しみな生産馬が揃っており、昨年、ジャスタウェイやサダムパテックといったG1馬が引退したことによる、層の薄さを全く感じさせない。

   「関係者の皆さんの後押しもあって、これだけの成績を残せているのだと思います。牧場としても年明け早々に重賞を勝てたのは嬉しいことですし、今年も多くの生産馬が、様々な舞台で活躍してくれることを期待しています」(橋本場長)