重賞ウィナーレポート

2014年10月19日 秋華賞 G1

2014年10月19日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ショウナンパンドラ

プロフィール

生年月日
2011年03月10日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:9戦3勝
総収得賞金
607,688,000円
ディープインパクト
母 (母父)
キューティゴールド  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
国本 哲秀
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
高野 友和
騎手
浜中 俊

 今年の秋華賞(G1)を制したのは、3番人気の支持を集めたショウナンパンドラ。生産牧場である白老ファームはイスラボニータで今年の皐月賞(G1)を制しており、創業以来、初めてとなる同一年度の牡馬、牝馬三冠レース優勝となった。

 ショウナンパンドラの血統を見て行くと、祖母にその名を残すのが白老ファームを代表する名牝で、ステイゴールドの母でもあるゴールデンサッシュ。つまりショウナンパンドラとステイゴールドは、姪と伯父の関係ともなる。

 「ショウナンパンドラの母であるキューティゴールドは、ゴールデンサッシュと同じ栗毛に出たように、母の遺伝が強く出た繁殖でした。現役時には未勝利に終わっていますが、フレンチデピュティとの配合からか、母よりも恵まれた馬体をしていましたし、繁殖として大成してくれるはずとの思いは持っていました」とは白老ファームの繁殖主任である石垣節雄さん。ディープインパクトとの間に生まれたショウナンパンドラは、母の安定感と父の軽さといった両者の長所が馬体に反映され、この世代の中でも生まれながらに高い評価を受けていた。

 昨年末の阪神メイクデビューで2着となると、明くる年の3歳未勝利戦を優勝。その後はエルフィンS、フラワーC(G3)、スイートピーSと、オープン、重賞と1番人気の評価を集めていたように、ファンからは能力の高さも認められていた。

 「この頃は馬体の増減も激しかったように、まだ弱い面もあったでしょう。それでも馬体を増やして臨んだ糸魚川特別を勝利、紫苑Sで2着となったように、一夏を超えて完成に近づいてきたのかもしれません」(石垣さん)

 紫苑Sの2着で秋華賞(G1)の出走権を掴んだショウナンパンドラ。レースはインコースで待機を続け、最後の直線では前を行く馬のスペースができたところに飛び込み、一気に先頭に立つ。

 「抜けた瞬間は行けるかなという思いがしました。後はひたすら『頑張れ!』と叫んでいましたね」(石垣さん)

 ショウナンパンドラの脚色は鈍ることなく、外からやってきたヌーヴォレコルトの追撃をクビ差振り切りゴール。人気に推されながらも惜しいレースが続いていたオープン、そして重賞という高嶺の花は、G1初制覇で手に入れることができた。

 「夏以降は更に本格化に近づいている気がしています。あと、改めて思ったのは、この牝系はやはりサンデーサイレンス系種牡馬との相性がいいのでしょうね」(石垣さん)

 実はショウナンパンドラの秋華賞(G1)勝利は、白老ファームにとって初めてのディープインパクト産駒によるG1制覇。それもロイヤルサッシュを祖とする「サッシュ系」というのも白老ファームらしいが、この系統はG1級のポテンシャルを後世に伝えるだけでなく、古馬となってからの際だった成長力も産駒に伝える傾向がある。石垣さんも「まだ本格化しきっていない」というショウナンパンドラだけに、今後、どのような活躍を見せてくれるのか、本当に楽しみになってくる。