重賞ウィナーレポート

2014年09月07日 新潟記念 G3

2014年09月07日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マーティンボロ

プロフィール

生年月日
2009年08月20日 05歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:20戦7勝
総収得賞金
165,474,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ハルーワソング(USA)  by  Nureyev(USA)
馬主
吉田 和美
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
友道 康夫
騎手
N.ローウィラー

   中日新聞杯(G3)以来となる重賞2勝目は、今年のサマー2000シリーズの優勝を決める勝利ともなった。

   1番人気が苦戦すると言われる新潟記念(G3)に、1番人気を背負って出走したマーティンボロ。ハンデ戦らしく、ゴール前では馬群が横に広がる大熱戦となったが、その中から他馬を蹴散らすように伸びてきたのはマーティンボロだった。

   「未勝利を勝つまでに時間を要した(デビューから6戦目)馬とは思えない程の、強いレースでした」とは育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の林宏樹育成厩舎長。林厩舎長にはマーティンボロの初重賞制覇となった、中日新聞杯(G3)の時にもお話を聞かせてもらっているが、その時、そして今回も話題に上がったのが「8月生まれの競走馬」という話だった。

   「育成厩舎に来たのは冷え込みの厳しい時期で、馴致も思うように進まなかったことが、今でも昨日のことのように思い出されます」(林厩舎長)

   それでも全兄にラジオNIKKEI賞(G3)の勝ち馬フレールジャック、そして近親にヴィクトリアマイル(G1)の勝ち馬ヴィルシーナがいるという良血を開花させることに、林厩舎長やスタッフの心に迷いは無かった。

   入厩後もマーティンボロのことが気がかりだったという林厩舎長は、栗東トレーニングセンターへ仕事で立ち寄った際、管理をしている友道厩舎へ足繁く通っている。

   「小柄な馬体は相変わらずでしたが、人なつっこい性格もまた、牧場にいた頃と変わりなかったですね。自分を確認すると馬房から顔を出してくるので、その顔を撫でながら『頑張れよ』といつも話しかけていました」
(林厩舎長)

   その思いが届いたかのような、中日新聞杯(G3)での重賞初制覇。それより林厩舎長を驚かせたのは、2着に入った前走の小倉記念(G3)だったという。

   「雨が降り続いたことで稍重での競馬となり、決してマーティンボロに適した馬場では無いと思っていましたが、馬群に包まれた中から抜け出たときには、重賞を勝ったとき以上の強さを感じました。今回は行儀の悪いところも見せてしまいましたが、鞍上の仕掛けに素晴らしい反応を見せたように、想像以上の成長を遂げていることが見て取れました」(林厩舎長) 今年に入ってから芝2000Mの重賞を2勝し、2着も1回。何よりサマー2000シリーズのチャンピオンとなったマーティンボロ。芝2000Mで行われる天皇賞(秋)(G1)でも、注目の1頭となりそうだ。

   「今の勢いなら、G1戦線でも恥ずかしくない競馬はしてくれると思います。勿論、遅生まれということからしても、心身共に更なる成長は図れるはずですし、次のレースが楽しみでなりません」 (林厩舎長)

   国内における8月生まれの重賞2勝馬は、勿論、初めての快挙。その上、G1も優勝するとなれば、近年の国内におけるサラブレッドの生産月を見ても、しばらくは肩を並べることもできない記録となる。今後も走る度に強く、そして8月生まれのサラブレッドとして、新たな記録を更新し続けていくマーティンボロから目が離せない。