重賞ウィナーレポート

2014年08月03日 クイーンS G3

2014年08月03日 札幌競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:キャトルフィーユ

プロフィール

生年月日
2009年03月03日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:20戦4勝
総収得賞金
187,848,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ワンフォーローズ(CAN)  by  Tejano Run(USA)
馬主
(株) ロードホースクラブ
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
角居 勝彦
騎手
福永 祐一
  • キャトルフィーユの母ワンフォーローズ
    キャトルフィーユの母ワンフォーローズ
  • 今年はロードカナロアを受胎している
    今年はロードカナロアを受胎している
  • 繁殖牝馬約40頭の牧場
    繁殖牝馬約40頭の牧場
  • エントランス、厩舎まわりは花で彩られている
    エントランス、厩舎まわりは花で彩られている

   グランドオープンでにぎわう札幌競馬場で行われた牝馬重賞・クイーンステークス(G3)はキャトルフィーユが先団から抜け出し、アロマティコ、スマートレイアーの追撃を振り切って初重賞制覇を飾った。

   本馬の生産は新ひだか町三石のケイアイファーム。生産・育成をしている牧場で、繁殖牝馬は約40頭いる。記憶に新しい生産馬は香港スプリント(G1)連覇、安田記念(G1)、高松宮記念(G1)、スプリンターズS(G1)連覇など、数々の偉業を成し遂げたロードカナロア。先日、同牧場には、産地に希望を与える走りを見せた同馬生産の功績を称え、酒井芳秀町長から特別感謝状が贈られた。他にも、2歳時から長く一戦級で活躍し、今年種牡馬入りしたダノンバラード、牝馬重賞馬レディアルバローザらが牧場の看板を光らせている。

   「重賞で惜しい結果が続いていましたし、前走はG1でも僅差の競馬をしていたので、待望の勝利となりました。パドックでは毛ヅヤが冴えて見え、状態面は良好に感じました。最後は接戦になりましたが、ゴールした瞬間は大丈夫だろうと思って判定を待ちました。福永祐一騎手が上手く騎乗してくれましたね。」と、レースの感想を語ってくれたのは、同牧場ゼネラルマネージャーの中村智幸さん。レース当日は牧場スタッフ数名と応援に出向き、喜びを分かち合ったという。

   トップサイアー・ディープインパクトを父に持つ本馬は、カナダ生まれの母ワンフォーローズの2番仔として誕生した。半姉には前述のレディアルバローザがいる。牧場時代について中村さんは、「牝馬にしてはボリュームがあり、余計なことをしない、扱いやすい馬でした。当歳時から素質を感じていましたが、完成するには少し時間を要すタイプかもしれないと思っていました。」と、振り返る。

   同牧場で繁殖生活を送るワンフォーローズは現役時代15勝をマークし、3年連続でカナダ最優秀古馬牝馬の称号を得た。素晴らしい競走成績に加え、母としてもすでに2頭の重賞馬を送り出し、まさに名牝の域に達している馬だ。これまでに5頭出産していて、本馬の全妹となる4番仔ベルフィオーレは目下2連勝し、飛躍に注目が集まっている。

   「ワンフォーローズは元気に過ごしています。今年はロードカナロアを受胎しました。1歳には父キングカメハメハの牝馬がいて、こちらは大柄でしっかりしたタイプ。順調に育っています。」と、中村さんは紹介。本馬より一足先に後継牝馬となったレディアルバローザは、今年父ディープインパクトの牡馬を無事出産し、母系の枝葉を広げている。

   5歳夏にして初のタイトルを獲得し、着実にレベルを上げてきた本馬。近走は安定したレースぶりで一線級相手と好勝負し、牝馬No.1の座も狙える。間近で成長を見つめてきた中村さんも、その充実ぶりを感じている。

   「今年に入って本格化しましたね。場所を選ばず、どんな競馬場でもよく走ってくれますし、早いスパートも得意としています。秋に向けて、もちろん期待は募りますが、今後もケガなく、無事に競走生活を全うして欲しいです。」