重賞ウィナーレポート

2014年07月27日 エルムS G3

2014年07月27日 札幌競馬場 雨 不良 ダ 1700m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ローマンレジェンド

プロフィール

生年月日
2008年02月24日 06歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:19戦10勝
総収得賞金
361,194,000円
スペシャルウィーク
母 (母父)
パーソナルレジェンド(USA)  by  Awesome Again(CAN)
馬主
太田 美實
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
藤原 英昭
騎手
岩田 康誠

 勝ち馬から3秒離されての6着に敗れた昨年の東京大賞典(G1)。一昨年にはこのレースを制し、G1ウイナーとなったローマンレジェンドにとっては、屈辱と言える敗戦だった。しかもこのレースの後、左後脚の骨折も判明。ダート重賞戦線からの離脱を余儀なくされてしまう。 

 「東京大賞典(G1)の後は山元トレーニングセンターで療養していました。管理をしてくださっている藤原厩舎の皆さんだけでなく、我々社台ファームのスタッフも、『このまま終わるわけにはいかない、絶対に立て直す』との共通する意識を強く持って接してきました」とは社台ファームの長浜卓也さん。共通する意識の根底にあったもの、それはローマンレジェンドの太田美實オーナーにもう一度G1タイトルを授けたいという思いだった。

 その思いに鞍上を務めた岩田康誠騎手も応える。水曜日に調整先である函館競馬場でレース前の最終追い切りを行った後、金曜日のゲート練習には、水曜日に門別競馬場でナイトレースに騎乗していた岩田騎手が再び函館競馬場に駆けつけ騎乗。まさに牧場、厩舎、そして騎手が一体となった出来事と言っていい。

 「最終追い切りでも、骨折で休養した馬の調教とは思えない程に攻めの姿勢を貫き、それに応えるかのようにローマンレジェンドの動きもまた圧巻でした。岩田騎手は追い切りだけでなく、ゲート練習にも騎乗してくれましたし、勝利を掴みにいく気概はどこの陣営にも負けてなかったと思います」(長浜さん)

 東京大賞典(G1)における怪我の原因となったのはゲート内で暴れたこと。しかし、ローマンレジェンドはそんな悪癖など微塵にも見せることなく、厩舎関係者や岩田騎手を安心させる。しかもレースでは8番という願っても無い枠番を引いた。7頭が一度に入るゲートでは、8番以降はゲートを連結することになる。右となりとなる7番とは多少のスペースができただけでなく、偶数番ということで後入れとなったローマンレジェンドにとっては、願ってもない枠順となった。

 ゲート練習の成果を見せるかのように、スムーズなスタートを切ったローマンレジェンドは、好位でレースを進めて行く。ゴール前はクリノスターオーとの叩き合いとなったが、アタマ差凌ぎきってゴール。勝ち時計は自身の持つレースレコードを0秒3塗り替える1分41秒9。スピード、強さ、安定したレースぶりと様々な面において、ローマンレジェンドはG1ホースたる復活を成し遂げた。

 「僅差のレースとなりましたが、ゴール前では負けるわけがないと思いながら見ていました。ローマンレジェンド自身、良く耐えてくれたと思いますし、再度G1の舞台で輝いてくれると信じています」と長浜氏。一昨年はこのエルムS(G3)をレコード勝ちして、そして年末の東京大賞典(G1)を制覇。自らが歩んだ道をしっかりと踏みしめながら、ローマンレジェンドは真の復活の証を、東京大賞典(G1)で示そうとしている。