重賞ウィナーレポート

2012年03月04日 中日新聞杯 G3

2012年03月04日 中京競馬場 小雨 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スマートギア

プロフィール

生年月日
2005年02月12日 07歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:33戦5勝
総収得賞金
269,758,000円
マーベラスサンデー
母 (母父)
スケアヘッドライン  by  パドスール(GB)
馬主
大川 徹
生産者
大栄牧場 (新冠)
調教師
佐山 優
騎手
松山 弘平
  • スマートギアの半姉エクストラニュース
    スマートギアの半姉エクストラニュース
  • 良い発情を待って種付けを行う予定
    良い発情を待って種付けを行う予定
  • 鹿が入らないように牧柵が高い
    鹿が入らないように牧柵が高い
  • 牧場の看板
    牧場の看板

 リニューアル中京競馬場を飾る最初の重賞、中日新聞杯(G3)は7歳牡馬のスマートギアが快勝。18度目の重賞挑戦で、ついに待望のタイトルを掴んだ。

 本馬の生産は新冠町の大栄牧場。過去には一昨年の新潟大賞典(G3)の勝ち馬ゴールデンダリア、2002年のクイーンS(G3)の勝ち馬ミツワトップレディ、菊花賞(G1)2着馬ダイワオーシュウ、重賞2勝馬ブリリアントロードといった活躍馬が名を連ねる。昨年はレインボーダリアがエリザベス女王杯(G1)で5着に好走し、重賞Vへと迫っている。

 同牧場の浜口寛社長は、「これまで重賞はなかなか勝てずに悔しい思いをしていましたが、よく勝ってくれましたね。本当に嬉しいです。これまではアーネストリーやオウケンブルースリといったG1馬相手に食い下がっていた馬ですし、力はあると信じていました。松山騎手との新コンビも合っているようですね。」と、レースを振り返る。当日はご自宅で応援されていたそうで、牧場へ春の風を吹き込むようなゴールインに歓喜するや、相次ぐお祝いの電話で慌ただしく過ごしたという。

 本馬の牧場時代については、「母馬に似て気が強かったですね。よく前肢を上げていてね…扱いには苦労しましたが、元気いっぱいに育ちました。」と、当時を浜口社長は思い起こす。2005年北海道セレクションセール・当歳に上場し、945万円(税込)の値がついた。

 「せり上場の際もやんちゃなところを見せていましたが、満足のいく落札額となりました。昔と比べて庭先取引が難しい時代なので、市場取引馬から重賞馬を出せたということも大きいですね。」と、浜口社長。高額取引馬でなくとも重賞制覇のチャンスは十分あることを、今回の勝利で実証してみせた。

 母スケアヘッドラインは不出走馬で、パドスールの肌。7番仔ワンモアチャッター(白老F生産)が朝日チャレンジC(G3)を制し、5番仔スクエアアウェイは母としてアリゼオ(重賞2勝)を生んでいる。祖母シャダイチャッターは1985年小倉記念(G3)の勝ち馬。

 「母馬は人間には大人しいし、馬同士でも悪さをすることはありませんでしたが、気が強くて、種付けの時が大変でした。」と、浜口社長は苦笑い。現在、同牧場にはスマートギアの半姉にあたるエクストラニュース(父エンドスウィープ)が繁殖生活を送っており、実績の血統から次なる逸材を目指す。

 「脚元の故障がないように、これからも良い状態でレースに出走できることを願うばかりです。7歳馬ですが、1年近く休んでいましたし、年齢以上に若いでしょう。これで除外の心配もなくなりましたし、次走以降も好勝負してくれたら最高ですね。」と、望みを伝える浜口社長。過去、本馬は菊花賞(Jpn1)で4着、2度出走した宝塚記念(G1)では勝ち馬から1秒差以内の競馬をしており、大舞台でも上位圏内まであと少しの位置まで健闘している。新たなパートナーを味方に、古豪のチャレンジは熱を帯びてきている。