重賞ウィナーレポート

2004年02月21日 クイーンC G3

2004年02月21日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダイワエルシエーロ

プロフィール

生年月日
2001年05月11日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
281,754,000円
サンデーサイレンス(USA)
母 (母父)
ロンドンブリッジ  by  ドクターデヴィアス(IRE)
馬主
大和商事 (株)
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
松田 国英
騎手
福永 祐一
  • 母ロンドンブリッジとスタッフ(2004.2.24撮影)
    母ロンドンブリッジとスタッフ(2004.2.24撮影)
 門別町福満に在る下河辺牧場は小高く広がる丘の上に本場・分場・育成場をもち、本場は木立も整えられ気品を感じさせる名門の牧場だ。繁殖牝馬を100頭近く所有し産駒の活躍はめざましく、地元で‘馬産地日高の三大不思議’と言われた同牧場産駒G1未勝利を昨年スティルインラブの牝馬三冠達成で一気に鬱憤を晴らした。
 この牧場を、多くの役職をもつ下河辺俊行オーナーと長男行雄氏(繁殖担当)、次男隆行氏(育成・調教担当)の親子3人が50名のスタッフと運営する。
 今回取材に応じてくれた長男行雄氏は、テレビで応援した本レースを振り返り「4コーナーで接触した様に見えたので心配した。」が直後抜け出た時に勝ちを意識したそうだ。同馬重賞初制覇に嬉しいのは「競走馬づくりの理想を目指した牧場運営の成果だから」という。
 目指した競走馬づくりとは、交配―生産―離乳―育成―馴致―調教をしっかりとした専門分業で、一貫した流れで仕上げ競馬場に送り込むことと言う。さらに同場では成長に合わせステップアップするときは、受け入れるセクションの担当が数週間前から前セクションでの担当馬の世話に加わり状態を理解する事で、馬のストレスを最小限にとどめるように配慮しているという。
 この環境で育ったダイワエルシエーロは「幼駒のころ、小柄ですごく気を遣った」そうで、最期の調教期には、受け入れ先の松田調教師と綿密な打ち合わせを繰り返し調教した後、昨年10月に栗東に入厩して今の活躍となった。
母ロンドンブリッジはこの環境造りの過度期の生産馬で、桜花賞2着の実績を上げたが優勝できない悔しさが残っていた。目指す牧場づくりの成熟期の確信に、同馬への期待は大きく、母の果たせなかった桜花賞制覇の目標に力が入る。
 取材の終わるころ、東京競馬場に応援に行って、吹雪のため帰場の遅れていたオーナーの俊行氏と次男隆行氏が戻り笑顔を見せてくれた。三人の信頼関係とスタッフとのコミュニケーションの中に、目指す牧場の完成は近く、ダイワエルシエーロの勝利が後押しをしている。
 第39回クイーンCは、関西馬・ダイワエルシエーロが直線で一気に突き抜けて優勝。3戦目で重賞をゲットし、牝馬クラシック戦線に名乗りを上げた。
 ダイワエルシエーロは、父サンデーサイレンス、母は平成10年の桜花賞2着馬・ロンドンブリッジ(1995生、栗毛、父ドクターデヴィアス)という良血馬。生産者は、昨年のJRAブリーダーランキング4位の名門・下河辺牧場(北海道・門別町)で、ダイワエルシエーロは第2仔にあたる。また同馬の下(兄弟)には、2002年・2003年と2年連続で父ブライアンズタイムの牡馬が誕生している。