重賞ウィナーレポート

2004年02月15日 ダイヤモンドS G3

2004年02月15日 東京競馬場 晴 良 芝 3400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ナムラサンクス

プロフィール

生年月日
1999年03月15日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:33戦7勝
総収得賞金
209,873,000円
サクラチトセオー
母 (母父)
テンザンナイーブ  by  スルーザドラゴン(USA)
馬主
奈村 信重
生産者
賀張三浦牧場 (門別)
調教師
松永 善晴
騎手
渡辺 薫彦
  • 母テンザンナイーブと三浦牧場・三浦明氏(2004年2月16日撮影)
    母テンザンナイーブと三浦牧場・三浦明氏(2004年2月16日撮影)
 ナムラサンクスの生産牧場・三浦牧場は、門別の賀張川(かぱりがわ)河口に位置する牧場だ。賀張川は昨年の台風10号では多大な被害を受けたが、幸い高台にある同牧場は難を逃れたという。
 現在三浦牧場は、本場を社長の八蔵氏に代わって次男の明氏が、門別・福満にある富川育成場を長男の啓一氏が運営している家族経営の牧場だ。
 ダイヤモンドSの当日は、社長と啓一氏が東京競馬場に応援に駆けつけた。条件戦・特別戦では多くの実績を持つ同牧場だが、重賞制覇は実に13年ぶり。それだけにゴールした瞬間、馬主・調教師と一緒に万歳をして喜んだとか。
一方、本場では留守番の明夫妻らが「負けたら、馬を(厩舎に)入れるのも辛いから」(明氏)と早々に仕事を済ませてのテレビ観戦。優勝直後には、多くのお祝いの電話や来訪者があったという。
 ナムラサンクスは、馬主の奈村信重氏が牧場に訪れた時に気に入り、2000年の北海道市場で落札したマル市だ。母テンザンナイーブは気性の激しい牝馬だが、生まれたばかりのサンクスは、おとなしいが「一味違うもの」を感じたという。
 デビュー後は、今年の京都金杯を制した長田ファームのマイソールサウンドとマイル路線で競っていたが、「長期休養明けで脚質が変わり、長距離に頭角を現した」と明氏は分析する。ちなみに明氏と長田ファーム・長田氏は(数キロ離れても北海道では)お隣さん同士で長年の良きライバルだそうで、互いの生産馬の活躍に喜び合っていると明氏は笑顔を見せた。
 今後のナムラサンクスだが、「馬主さん、調教師さんは天皇賞で使うといってくれた」と八蔵氏。「(松永善調教師は)引退間近なので、ぜひ天皇賞で・・・」と明氏も語調を合わせる。また、ナムラサンクスの父サクラチトセオーについて、「輸入名種牡馬に勝ってくれた」と、明氏は内国産種牡馬の活躍を讃えた。 今年から距離が200m延長されて3400mで争われたダイヤモンドステークスは、2番人気のナムラサンクスが直線の叩き合いを制して優勝。9度目の重賞チャレンジで念願の重賞初制覇を果たし、主役不在の長距離界に名乗りを上げた。今後は春の天皇賞を目標に調整される。
 ナムラサンクスは、北海道・門別町の賀張三浦牧場の生産馬で、母はテンザンナイーブ(1993年生まれ、中央1勝)。サンクスは同馬の初仔にあたり、兄弟にマキシムエーワン(牡4、栗毛、父ダンスインザダーク、栗東・五十嵐忠男厩舎)、全妹のナムラヒスイ(牝3、黒鹿毛、父サクラチトセオー、栗東・松永善晴厩舎)、2歳には現在BTCなどで調教・育成中の父マーベラスサンデーの牝馬がいる。なお、今年はオペラハウスとの産駒が誕生予定(4月9日)。