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JRA日高育成牧場で育成馬展示会

  • 2018年04月10日
  • JRA日高育成牧場で開かれた平成30年度育成馬展示会
    JRA日高育成牧場で開かれた平成30年度育成馬展示会
  • 悪天候のため覆馬場で挨拶する平賀敦場長
    悪天候のため覆馬場で挨拶する平賀敦場長
  • 北海道静内農業高等学校が生産したゴートゥザノースの16
    北海道静内農業高等学校が生産したゴートゥザノースの16
  • 騎乗供覧にはBTC第35期生(青帽子)もJRA育成馬に跨った
    騎乗供覧にはBTC第35期生(青帽子)もJRA育成馬に跨った

 4月9日、JRA日本中央競馬会は、浦河町西舎にある日高育成牧場(平賀敦場長)において、平成30年度育成馬展示会を開催した。

 この展示会は、4月24日に中山競馬場で開催する2018JRAブリーズアップセールに上場予定の日高育成牧場在厩のJRA育成馬を披露するイベント。この日は57頭(牡27頭、牝30頭)の育成馬のうち56頭(牡26頭、牝30頭)が展示された。56頭は5班に分けて比較展示。展示は降雪のため覆馬場に会場を変更して行われた。続いて、会場を1600mトラック砂馬場に移し、調教が進んでいる51頭(牡23頭、牝28頭)を騎乗供覧した。

 展示会開催にあたり平賀場長は「今日は本当に天気が悪いところ、こんなに大勢の皆様に集まっていただきく厚く御礼申し上げます。本日はJRAブリーズアップセールに上場を予定している56頭の比較展示と51頭の騎乗供覧をいたします。ぜひ、ご覧になってください。また、今日の展示にはBTCの研修生も参加して比較展示や騎乗供覧をいたしますので、彼らのハンドリング技術や騎乗技術に対しても注目していただきたいです。我々の世界を支える担い手でございます。また、私どもは去年購買した育成馬とホームブレッドを用いていろいろな研究もしております。繁殖から生産期に起こる疾病の研究などもしております。そういった研究で得られた成果についても機会を見て皆様に普及していきます。今日は調教が進んでいる馬、若干遅れている馬もおりますが、今の状況をよく見ていただいて、今後の参考にしていただければと思います」とあいさつした。

 展示された56頭の中には、昨年の北海道市場サマーセールにおいてJRAが561万6,000円(税込)で購買した、北海道静内農業高等学校生産のゴートゥザノースの16(牡、父バゴ)も元気に登場した。学校関係者らも駆けつけ、成長した姿に感激しきりだった。また、展示会には公益財団法人軽種馬育成調教センターが行う育成調教技術者養成研修の第35期生も参加。騎乗供覧ではJRA職員に混じり14人の研修生がJRA育成馬に騎乗し、1年の研修で習得した騎乗技術をいかんなく発揮し、ホースマンとして立派に成長した姿を堂々と披露した。

 JRA育成馬とは、JRAが全国のサラブレッド1歳市場で購入し、JRAの施設で育成された馬。2002年までは抽選馬と呼ばれていた。また、2009年からは日高育成牧場で生産したサラブレッド(JRAホームブレッド)もJRA育成馬に加わった。JRAでは、これらのJRA育成馬を用いて「強い馬づくり」のための生産育成研究や生産育成技術の開発を行い、その成果の普及、啓発に努め、日本の生産育成分野のレベルアップに取り組んでいる。

 JRAブリーズアップセールは2005年からスタート。このセールでは「時計よりも馬の走法や出来栄え」を購買者にアピールすると同時に、上場馬の情報発信を充実させ、セールに不慣れなお客様に対し、わかりやすく参加しやすいせりの入門編としての運営を目指している。

 市場成績も素晴らしく、2012年から2017年まで6年連続で売却率100%を記録。過去の取引馬からは2008年の朝日杯フューチュリティS(Jpn1)優勝馬のセイウンワンダー、2006年のフィリーズレビュー(G2)優勝馬ダイワパッション、2011年のニュージーランドT(G2)優勝馬エイシンオスマン、2013年の函館2歳S(G3)優勝馬クリスマスなど数多くの重賞勝ち馬が誕生している。とくにJRA育成馬は2歳の早い時期からデビューできるといわれており、昨年の取引馬は69頭のうち61頭が2歳デビュー。しかも2歳のうちに207走(1頭平均3.4走)もしている。

●JRAホームページ内「JRA育成馬」サイト(http://www.jra.go.jp/training/)
●JRA育成馬日誌(ブログ)(http://blog.jra.jp/ikusei/)
●JBIS-Search内「2018JRAブリーズアップセール」ページ (http://www.jbis.or.jp/seri/2018/12O1/sale/)