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軽種馬育成調教センターで育成調教技術者養成研修第36期生開講式

  • 2018年04月04日
  • 約70人が出席した育成調教技術者養成研修第36期生開講式
    約70人が出席した育成調教技術者養成研修第36期生開講式
  • 大平俊明理事長の式辞
    大平俊明理事長の式辞
  • 開講式の後に行われた昼食会
    開講式の後に行われた昼食会

 4月3日、公益財団法人軽種馬育成調教センター(大平俊明理事長)は、浦河町西舎にある軽種馬育成調教センター「軽種馬診療所」2階において、育成調教技術者養成研修の第36期生開講式を行った。

 第36期生は28人の応募の中から第1次選考、第2次選考を経て入講した16歳から22歳までの男性11人、女性11人の22人。北海道、宮城県、東京都、神奈川県、岐阜県、三重県、京都府、大阪府、岡山県、福岡県と全国各地から集まった。女性の比率が半分を占めるのは初めて。22人の中には兄弟がホッカイドウ競馬のトップジョッキー、親戚が中央競馬の調教師や厩務員、調教助手、親が牧場従業員という競馬一家、スキルアップを目指して勤務先から送り込まれた牧場従業員などが含まれている。

 開講式には第36期生のほか、第36期生の家族、軽種馬育成調教センターの役員や職員、来賓など約70人が出席。第36期生22人の氏名が読み上げられ、湯地達彦場長が入講を許可した。

 大平理事長は「いよいよ今日から1年間の研修が始まります。緊張と不安、希望が交錯する複雑な心境でしょう。先日のドバイは残念な結果に終わりましたが、近年では日本の調教馬が海外で活躍し、スポーツ紙だけでなく一般紙を含めたマスコミ全般でも取り上げられるようになりました。活躍する馬や騎手だけでなく、生産や育成に携わってきた人たちにも日の目が当てられるようになってきたのは、日本の生産育成技術が目覚ましく進歩している証ではないかと思います。皆様は大きな夢を持って入講してきたと思います。研修生の先輩方からは調教師や厩務員、新たに牧場を開業した人もおります。ゼロからのスタートですが、自分の知識を増やし、技術を磨き、立派なホースマンになる基礎づくりに励んでほしい。先輩方に並び、追い越すという気概を持って頑張ってください」と式辞。

 来賓として出席した松浦英則北海道日高振興局長は「日高管内は全国のサラブレッド生産の約8割という競馬王国であります。最近は中央競馬、地方競馬とも好調で売り上げが伸びており、軽種馬産業は低迷期を抜けて良い環境にあります。その一方で、競馬場や生産牧場、育成牧場で働く人材が不足している現実があります。皆様にはぜひ、競走馬育成のプロフェッショナルになるためこの研修で知識や技術を学んで、軽種馬産業発展のため皆様が働く地域の活性化のために頑張ってほしい。そして、この研修が修了した折には、多くの方に北海道に残ってほしいとお願いいたします」、浦河町の松田有宏副町長は「最初に地元を代表して、ようこそ浦河町へ、と歓迎申し上げます。皆様は強い馬、日本一、もっと言えば世界一の馬をつくりたいという思いでここに集ったとお見受けします。その夢をかなえるために軽種馬の育成技術の習得に励んでください。壁にぶつかったときには、教官を信じ、自分を信じ、仲間を信じて乗り越えてほしい。町としても全力でサポートしていきますので、安心してこの浦河で研修を全うしていただきたいと思います」、JRA日高育成牧場の平賀敦場長は「開講式を迎えた今日はスタートラインの一歩も二歩も手前。ほとんどの人は馬に乗ったことがなく不安と思いますが、1年たちますとすべての人がきちんと乗れるようになります。心配しないで1年間を過ごしてください。ただそのためには馬に乗ることだけじゃなく、馬房掃除や馬具の整理整頓など、ホースマンになるためのことはいっぱいあります。教官や先輩のいうことをよく聞くこと、そして、1番は馬のいうことをよく聞くことです。1年間はすぐに過ぎます。心して研修に励んでください。苦しくなったときには自分の抱負を思い出して頑張ってください」と祝辞を述べた。

 この研修は強い馬づくりを担う育成調教技術者を養成するため、平成4年に開講。第1期から第14期は6か月間、第15期からは1年間の研修となっている。4月13日に修了式を迎える第35期生まで512人(うち女性64人)が研修を修了している。