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北海道日高装蹄師会が装蹄競技大会

  • 2018年03月20日
  • 装蹄競技大会に出場した12名
    装蹄競技大会に出場した12名
  • 競技審査委員を務めた5名
    競技審査委員を務めた5名
  • 単独造鉄に取り組む選手
    単独造鉄に取り組む選手
  • 2年連続6回目の優勝となった大東正史氏(写真右)
    2年連続6回目の優勝となった大東正史氏(写真右)

 3月19日、北海道日高装蹄師会(武田英二会長、会員82名)は、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、第24回装蹄競技大会を開催した。

 この大会は会員の装削蹄技術の向上と連帯強化を目的としたもの。10月に栃木県宇都宮市で開催される全国装蹄競技大会の予選を兼ねており、平成7年から行われている。今年は22歳から41歳の会員10名に加え、南関東装蹄師会の加藤清氏、日本中央競馬装蹄師会関東支部の鵜木忠氏の2名がオープン参加した。

 午前8時から始まった開会式では、門別尚省副会長があいさつ。前年優勝の大東正史氏から武田会長に優勝カップが返還された。

 競技は、所要時間25分で、3分6鉄桿を用い、前肢左右を作製する単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)(200点満点)、所要時間25分で、判断用馬1頭につき与えられた判断用紙に記入提出する装蹄判断(100点満点)、規定時間60分以内に、指定された実馬の前肢1蹄に合わせた07タイプ蹄鉄1個を単独で造鉄し、その蹄鉄を用いた装蹄と会長が指定する課題蹄鉄1個の造鉄を完了する装蹄(370点満点)の3種目。中舘敬貴北海道日高装蹄師会理事を競技審査委員長に、竹田和正JRA日高育成牧場専門役、田中弘祐日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センター調査役、門別副会長、森野健太北海道日高装蹄師会会員の5名が競技審査委員を務め、装蹄判断と単独造鉄をあわせた合計点数の上位8名が最後の装蹄に進んだ。

 審査の結果、浦河町の大東正史氏が総合優勝。第23回に続く連覇で通算6度目の頂点に立った。準優勝は浦河町の豊巻亮氏、第3位は新冠町の倉持達矢氏、第4位は北広島市の伊澤昭仁氏、第5位は安平町の有働那宏氏となり、この5名が全国大会への出場権を手にした。

 午後4時から行われた褒章授与式では、中舘審査委員長による講評、宮下裕行副会長による成績発表のあと、褒章授与が行われ、総合優勝の大東氏や入賞者に対し、北海道日高装蹄師会、公益社団法人日本装削蹄協会、北海道日高振興局、浦河町、JRA日高育成牧場、公益財団法人軽種馬育成調教センター、日高軽種馬農業協同組合、日本中央競馬装蹄師会、南関東競走馬装蹄師会、公益社団法人北海道家畜畜産物衛生指導協会、北海道牛削蹄師会といった後援団体や協賛企業が、賞状や賞杯、メダル、賞品を贈呈。

 後援団体、来賓を代表してあいさつした平賀敦JRA日高育成牧場場長は「選手の皆様、審査に当たられた方、事務手続きの方々、本当にお疲れ様でした。私から言うまでもありませんが、競走馬は蹄がなければ駄目である、もう決まりきったことですけど、特に日高においては、生まれた馬から育成期の馬、競走馬、そしてまた繁殖牝馬と、非常に広い範囲の、年齢も用途も違う馬たちの蹄を見なければならず、いろいろな病気についての勉強、新しい技術への対応もしなければなりません。そういった意味で、日高の装蹄は総合力が非常に必要とされている場と思います。この大会だけで総合能力が決まるわけではないですが、大会を目指すということは良い経験になったと思いますので、今後もこの大会が続いて行ってくれることを望みます。今回、入賞を逃された方につきましては、日々の仕事の中で技術を研鑽して来年もまた挑戦していただきたいです。そして、全国大会に出られる方におかれましては、ぜひ優勝旗を持って帰ってきていただきたい。健闘を祈ります」と選手をたたえた。

 優勝した大東氏は「普段からみんなで練習しているのですが、今回は若い子たちの技術が年々伸びてきていると感じてましたので、正直、少し不安なところもありました。それでも自分が持っている技術と経験の差でなんとか優勝できたのではと思います。全体的にレベルアップしてきているので、10月の全国大会では5人全員で良い成績を目指して頑張ります」と喜びを語った。

 結果は下記の通り(敬称略)。
総合
優勝:480.4点 大東正史(浦河町)
準優勝:459.1点 豊巻亮(浦河町)
3位:455.8点 倉持達矢(新冠町)
4位:437.4点 伊澤昭仁(北広島市)
5位:404.9点 有働那宏(安平町)

部門賞
単独造鉄(満点200点):豊巻亮(135.8点)
装蹄判断(満点100点):大東正史(89.5点)
装蹄(満点370点):大東正史(262.3点)