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ジェイエス冬季繁殖馬セールが開催

  • 2018年01月25日
  • 最高価格落札の瞬間
    最高価格落札の瞬間
  • 最高価格となったナニアヒアヒ
    最高価格となったナニアヒアヒ
  • 高額2位のオヒア
    高額2位のオヒア
  • 受胎馬の最高価格となったラグタイム
    受胎馬の最高価格となったラグタイム
  • 挨拶する服部社長
    挨拶する服部社長

 株式会社ジェイエス(服部健太郎社長)主催による繁殖馬セール・冬季が1月24日(水)、新ひだか町の北海道市場において開催された。当日は、低気圧の影響で吹雪交じりの悪天候。それでも、良質繁殖牝馬を求める多くの購買者で会場はにぎわった。

 今回の上場頭数は44頭、売却頭数は28頭で売却率は63.64%。147,506,400円(税込)で、前年冬季市場との比較では売却頭数3頭増だったものの売却率が2.2ポイント、売却総額は19,364,400円の減少となった。

 最高価格は未供用馬4歳馬ナニアヒアヒの50,220,000円で、浦河町の(有)笠松牧場が落札した。同馬は父キングカメハメハ、母ウィキウィキ(母の父フレンチデピュティ)。1歳違いの半兄にダービー馬マカヒキがいる血統で、半姉ウリウリも重賞2勝の活躍牝馬だ。自身も4戦して勝ちきれなかったが、調教の動きなどからデビュー戦では1番人気に支持される素質馬だった。ブルードメアサイアーとしてのキングカメハメハは昨年秋のエリザベス女王杯(G1)でG1初勝利。今春のダービー候補として注目されているワグネリアンもまた母の父にキングカメハメハを持つ期待馬だ。

 一方、受胎馬の最高価格は奇しくもこの日南関東の大井競馬場で行われたTCK女王盃(Jpn3)に優勝したミッシングリンクの半姉で7歳馬ラグタイムの10,692,000円。父はディープインパクト。米国産の母エーソングフォー(母の父モアザンレディ)は紅梅Sに勝ち、フェアリーS(Jpn3)4着。その初仔として、JRAで2歳時に目の覚めるような追い込み勝ちを決めている。ラグタイムは、自身にとって2番仔を受胎しており、受胎馬の父は2017年新種牡馬チャンピオンに輝いたロードカナロア。全体の中では高額第3位の価格で、(有)エクセルマネジメントによって落札されている。

 今回も経産馬より未供用馬が高く評価される傾向があり、高額2位は未供用の6歳馬オヒアだった。父ブラックタイド、母ギガンティア(母の父フサイチペガサス)。オヒアの母ギガンティアは、モズカッチャンの母サイトディーラーとは姉妹の関係という血統だ。オヒア自身の現役時代は芝の短距離レースを得意としており、4勝のうち2つ特別レース含む3勝を芝1200m戦で記録。新ひだか町の岡田スタッドが16,200,000円で落札している。

 セール終了後、株式会社ジェイエスの服部社長は「冬のセールは、防疫と上場頭数の確保が最大のテーマです。まだ満足できる数字ではありませんが、昨年よりも多い頭数を上場いただけたということは販売申込者の方に感謝したい。今後も購買者のニーズにあった上場馬を確保しながら市場を盛り上げて生きたい」と話し「とくに防疫の面では改善できるところを改善し、販売申込者、購買者の両方が安心して参加できるような、満足いただけるような市場を開催したい」と振り返った。

○セールの詳細な結果につきましては、株式会社ジェイエスのウェブサイトをご覧ください。
http://www.jscompany.jp/index.html