馬産地ニュース

新冠町軽種馬生産振興会が講習会

  • 2017年11月22日
  • 新冠町軽種馬生産振興会が開催した講習会
    新冠町軽種馬生産振興会が開催した講習会
  • 感染症について講演するJRA競走馬総合研究所研究役の上野孝範氏
    感染症について講演するJRA競走馬総合研究所研究役の上野孝範氏
  • 会場からは複数の質問が寄せられた
    会場からは複数の質問が寄せられた

 11月21日夜、新冠町軽種馬生産振興会(守矢正嗣会長)は、新冠町中央町にある新冠レ・コード館町民ホールにおいて講習会を開催した。

 講習会には新冠町軽種馬生産振興会青年部が協賛し、JRA日本中央競馬会、公益社団法人日本軽種馬協会が後援。当日はJRA競走馬総合研究所微生物研究室研究役の上野孝範氏が「子馬の感染症」を、JRA日高育成牧場業務課長の冨成雅尚氏が「ERV生ワクチンについて」をテーマに講演した。

 講習会の開催にあたり主催者を代表して守矢正嗣会長は「今日は寒い中、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。また、講師の先生方におかれましては、お忙しいところ、遠くまでご足労いただきこの場を借りてお礼申し上げます。今日の講習会では感染症についてお話していただきます。獣医師に聞いたところ、ローソニア感染症というのは昔からあったのではないかということでしたが、近年は私の周辺の牧場でもかなり増えていて話題になっています。本当に大変なことで原因の究明が待たれるところです。仔馬は牧場の宝物です。少しでも感染症から守ってあげられたら良いと思っています。今日は時間の許す限り先生の講演をゆっくり聞いてください。本日の講習会が皆様にとって実りあるものになることを願っています」とあいさつした。

 講師の上野氏は昭和48年山口県出身。平成10年に山口大学農学部獣医学科を卒業後JRAに入会。美浦トレーニングセンターを経て平成13年に競走馬総合研究所へ配属され、競走馬の運動器疾患に関する研究、病理検査に従事。平成18年から5年間、北海道大学獣医学研究科社会人博士過程に在籍し、「周産期雌馬における致死的な子宮広間膜血腫に関する病理学的研究」をテーマとした博士論文を発表している。また平成23年には競走馬総合研究所栃木支所で馬感染症に関する研究などに従事し、平成28年に事業所の統合により競走馬総合研究所で活躍している。

 上野氏は講演の中で感染症について、その中でもロドコッカス・エクイ感染症、ロタウイルス感染症、ローソニア感染症の原因、症例、対策、検査法などを重点的に説明した。

 また冨成氏は今年から補助対象になった生ワクチンについて、ERV生ワクチンの効果、ERV生ワクチンの効果的な使い方などを話した。

 会場からは「生ワクチンについて抗体価が上がってから下がりはじめる時期は分かっているのでしょうか」、「ロタウイルスのワクチンはどれくらいの期間効くのでしょうか」、「ローソニアワクチンの接種方法について効果的な方法を教えてください」といった質問が寄せられ、2人の講師が適切なアドバイスをした。