馬産地ニュース

三石軽種馬生産振興会が軽種馬講習会

  • 2017年11月21日
  • 三石で開かれた軽種馬講習会
    三石で開かれた軽種馬講習会
  • 講師やアドバイザーを務めた雪印種苗(株)関係者
    講師やアドバイザーを務めた雪印種苗(株)関係者
  • 挨拶する斉藤雅宣三石軽種馬生産振興会会長
    挨拶する斉藤雅宣三石軽種馬生産振興会会長

 11月20日夜、三石軽種馬生産振興会(斉藤雅宣会長)は、平成29年度軽種馬講習会を、新ひだか町三石本桐にある本桐期間集落センターにおいて開催した。

 講習会は、雪印種苗(株)、日高管内軽種馬生産振興会、日高軽種馬農業協同組合が協力。毎年、同振興会が行う事業のひとつで、今年は雪印種苗(株)北海道研究農場牧草飼料作物研究グループ主事の谷津英樹氏と、同じく雪印種苗(株)営業本部トータルサポート室主査の佐藤尚親氏を講師に、雪印種苗(株)営業本部顧問の五十嵐俊賢氏をアドバイザーに迎えた。

 当日は振興会会員や日高地区の生産者、酪農家など約100人が出席。講習会に先立ち主催者を代表して斉藤会長は「悪天候の中、道の悪い中、このようにたくさんの方が遠くから三石まで足を運んでいただきありがとうございます。いままで当講習会では、血統、馬の見方などについて行ってきましたが、今回は趣向を変えて草の勉強をしようと、雪印種苗様から講師の方をお招きしました。講師やアドバイザー、雪印種苗(株)様関係者の皆様には、ご多忙にもかかわらず、三石までご足労いただきありがとうございます。草地というと、メドウフォックステイルとかリードカナリーグラスなどの雑草が問題になってます。昔はそうではなかったですが、最近は除草剤を撒かなくてはならないほど雑草の増殖が進んでおります。今回は草地の維持管理などについてご講演いただきます。時間の許す限り、ゆっくり勉強していただければと思います」とあいさつした。

 谷津氏は平成2年に雪印種苗(株)に入社して以降、牧草の品種改良や栽培に関する技術普及を、業界の先頭に立って続けてきた草地のスペシャリスト。草地に関する研究成果、知識、経験を惜しみなく発表する研修会は大変好評で、畜産会や軽種馬業界で話題になっている。「軽種馬草地における放牧地・採草地の維持管理」について谷津氏は播種量・品種選びのポイント、草地管理のポイントなどを説明した。

 また、「雑草の防除および草地土壌の管理」を演題に講演した佐藤氏は、岩手大学農学部畜産学科卒業後、道立農業試験場および道立総合研究機構畜産試験場などで、草地飼料作物や強害雑草の防除法、飼料自給プログラムなど広く研究に携わり、平成22年には日本草地学会賞、北海道草地研究会研究会賞を、平成25年には第48回優秀畜産技術者表彰特別賞を受賞している。講演では雑草防除のセオリー、草地の更新、土壌の種類と特徴などについて言及した。

 会場から「雑草をすべて除草できる除草剤はありますか?」、「日高地方でのフロストシーディングについて」、「除草剤を撒く時期はいつくらいがいいか?」といった質問が寄せられ、講師やアドバイザーが丁寧に回答した。