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北海道2歳優駿(Jpn3)はドンフォルティスが人気に応え優勝

  • 2017年11月06日
  • 直線の攻防
    直線の攻防
  • JRA所属馬ドンフォルティスが重賞初勝利を飾った
    JRA所属馬ドンフォルティスが重賞初勝利を飾った
  • 牧浦調教師にとっても待望の重賞初勝利
    牧浦調教師にとっても待望の重賞初勝利
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん
  • 門別でも人気の武豊騎手
    門別でも人気の武豊騎手

 ホッカイドウ競馬2歳重賞の最高峰でもある交流重賞、道新スポーツ杯・第44回北海道2歳優駿(Jpn3)が10月31日、門別競馬場ダート1800mで行われた。

 今年のメンバーはJRA所属馬4頭、道営所属馬5頭の9頭。1番人気はJRA所属馬でヘニーヒューズ産駒のドンフォルティス。ダ1200mの未勝利戦を3馬身差の圧勝で勝ち上がると、続くヤマボウシ賞(500万下)も連勝し、ここへ挑んで来た。鞍上は2日前の天皇賞(秋)(G1)でキタサンブラックを勝利に導いた武豊騎手ということもあり1.9倍の圧倒的一番人気に推された。5.1倍の2番人気は、ホッカイドウ競馬のローエングリン産駒・ハッピーグリン。重賞挑戦はこれで3戦目だが、複勝圏内を外したことのない堅実さが評価された。3番人気はJRA所属の米国産馬フィールシュパース(父Kitten's Joy)で6.2倍。以下4番人気にヤマノファイト(7.2倍)5番人気はサザンヴィグラス(7.7倍)と地元の重賞勝ち馬も奮闘した。

 スタンド前からの発走。フィールシュパースとドンフォルティス、人気の2頭がふわっとしたスタートになったが、最内ディーエスソアラーが好スタートから先頭へ。直後を追うサザンヴィグラスとヤマノファイト、内にハッピーグリンと地の利を生かした地元勢が先行集団を形成。3~4コーナー中間でサザンヴィグラスが逃げるディーエスソアラーを競り落とし、早くも先頭へ躍り出るも、外目を通ってドンフォルティスが忍び寄り、直線でスパート。サザンヴィグラスを早々に交わすと猛追してくるフィールシュパースを1馬身1/2差凌ぎきって、重賞初勝利。勝ち時計は1:55:5(晴・重)。2着はフィールシュパース、3着にサザンヴィグラスが入り、地元最先着を決めた。

 鞍上の武豊騎手は02年のブラックミラージュ、03年のアドマイヤホープ、08年のメトロノースに続き同レース4勝目。表彰式では、天皇賞(秋)(G1)で出遅れながらも快勝したキタサンブラックに擬えて「今日も出遅れましたね」と話し、場内は笑いに包まれた。レースに関しては「初めての距離ですし、前半はあまり無理させたくなかったので出遅れたのは結果的に良かったですね。とても利口な馬で手応えも良く、仕掛けどころは少し早いかなと思いましたが押し切ってくれるだろうと信じて追いました」と振り返った。

 管理する牧浦充徳調教師は開業8年目にして嬉しい初重賞勝利。「早目に門別競馬場に到着して調整できたことが、今日の状態の良さに繋がったと思います。距離延長や地元勢の強さ、不安は色々ありましたが、門別競馬場の広いコースはこの馬に向いていると思いましたし、今までのレース振りから、力を出せれば勝負になると遠征を決断しました。それだけに結果が出せて良かったです。今後は全日本2歳優駿(Jpn1)に向けて体制を整えたいですね」と安堵の表情を見せた。

 ドンフォルティスは父ヘニーヒューズ、母グロッタアズーラ、母の父フジキセキという血統の2歳牡馬。日高町・アイズスタッドの生産馬で、セレクトセール・1歳セクションにおいて1242万円(税込)で落札された。父ヘニーヒューズにとって本邦初年度産駒となる本馬は、日本生まれの初重賞勝ち馬となった。