馬産地ニュース

JBBAが第3回担い手研修

  • 2017年10月27日
  • 財務問題について講義する公益社団法人中央畜産会資産・経営対策部の武田航部長
    財務問題について講義する公益社団法人中央畜産会資産・経営対策部の武田航部長
  • 軽種馬取引について講義する赤坂西法律事務所の鍋谷博敏弁護士
    軽種馬取引について講義する赤坂西法律事務所の鍋谷博敏弁護士
  • アドバイザーとして出席した4人の専門家
    アドバイザーとして出席した4人の専門家

 10月26日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、平成29年度軽種馬経営高度化指導研修事業を活用した、「第3回担い手研修~軽種馬生産の担い手を対象とした経営支援に係る研修~」を、新ひだか町静内本町にある日高生産連ビル3階会議室にて開催した。

 この担い手研修は、経営継承者および後継者や、地域において軽種馬生産の担い手を支援する自治体、農協などの職員を対象に、軽種馬生産育成牧場の円滑な経営に必要な知識の習得と、参加者間の意見交換にて経営者としての意識を醸成するとともに、地域での支援体制の強化を目的としたもの。今年度最後となる第3回目の研修には、次世代を担う牧場後継者や継承者、日高地区の農業職員など約60人が出席した。

 この日の研修テーマは、軽種馬経営の財務管理と軽種馬取引に係る法律問題の2つ。公益社団法人中央畜産会資産・経営対策部の武田航部長と赤坂西法律事務所の鍋谷博敏弁護士の2人を講師に、田村税理士事務所の田村禎一税理士、北海道酪農畜産協会経営支援部経営支援課の原田要主査、琉球大学農学部の杉村泰彦准教授、酪農学園大学農食環境学群の小糸健太郎准教授の4人をアドバイザーに迎えた。

 開会にあたり主催者を代表して同協会生産対策部の渡邉孝徳部長は「この研修も3回目となりました。財務問題、法律問題をメインに行いましたが、軽種馬生産と一緒でなかなか奥の深いものですので、すべての問題を網羅しているわけではありません。この研修をきっかけとして、それぞれがもっと深く知識を深めていただければと願っております。本協会でもいろいろな研修を行っておりますので、要望があればアンケートに書いていただければ、それを参考に研修事業を進めていきたいと考えております。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶した。

 「軽種馬経営の財務管理 パート3 経営を評価してみよう」を演題に講演した武田部長は、経営評価の基本、青色申告決算書からできる分析、3か年移動平均法などを説明。最後に「軽種馬経営は馬産地と地域の産業を支え、競馬を支え、多くの競馬ファン・競走馬ファンを支え、さらに、ほかの多くの産業を支えています」とエールを送った。

 また、「軽種馬取引に係る法律問題」を演題に講演した鍋谷弁護士は、実際にあった紛争事例をもとに、事案の概要、争点、関連する事項を解説した。

 出席者からは「繁殖牝馬の減価償却方法について、年齢も価格もばらばらなので何か基準があるのか教えてください」、「平成28年から新しくなった育成馬の減価償却について教えてください」、「後継者へスムーズに事業継承するために、注意すべき税法上のポイントや費用についてアドバイスをお願いします」、「消費税の課税非課税について教えてください」、「スムーズに代替りする方法はありますか?」、「代替馬を防ぐ手だてがほしいのですが、契約書に書き加えたい項目をアドバイスお願いします」など、財務や税金に関する質問が寄せられ、講師やアドバイザーがわかりやすく応答した。