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道営重賞・サンライズカップはヤマノファイトが重賞2連勝

  • 2017年10月10日
  • 最内に進路を取り抜け出すヤマノファイト
    最内に進路を取り抜け出すヤマノファイト
  • 余裕の表情でゴールを駆け抜けた
    余裕の表情でゴールを駆け抜けた
  • これで重賞2連勝となった
    これで重賞2連勝となった
  • 喜びの口取り写真
    喜びの口取り写真
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

 10月5日、門別競馬場では北海道2歳優駿(Jpn3)へ向けてのトライアルレース、大阪スポーツ杯第17回サンライズC(H3)【マクフィ賞】がダート1700mで行われた。

 ホッカイドウ競馬の開催も残り1ヶ月となり、2歳戦の大一番への出走権利を得るため9頭がエントリーした。1番人気は栄冠賞、ブリーダーズゴールドジュニアC(H1)の勝ち馬、サザンヴィグラスで1.9倍。実績上位馬だけに、ここは負けられない1戦だ。JRAの2歳オープン戦、コスモス賞、すずらん賞を3着し、芝ダート問わない活躍を見せるローエングリン産駒のハッピーグリンは3.2倍の2番人気。3番人気はイノセントCを優勝したヤマノファイトで6.6倍だった。

 内が軽く、外が重かったこの日の馬場状態。揃ったスタートから、スタンド前を通り外枠の馬たちが内を目指して殺到してくる。ディーエスソアラーが先頭で1コーナーを回り、アポストル、シュヴァルダムール、サザンヴィグラス、ヤマノファイトら人気馬が中団。3コーナーでサザンヴィグラスが進出を開始すると、内からヤマノファイトも追い出しを始めた。直線、先頭に立ったサザンヴィグラスに、最内ヤマノファイトが襲いかかる。追い込んでくるハッピーグリン、しかし先頭を捕らえることができず、ヤマノファイトが重賞2勝目を飾った。勝ち時計は1:51:4(晴・良)。1/2馬身差の2着にハッピーグリン、さらに1/2馬身差の3着はサザンヴィグラスだった。

 JRA遠征、地元に戻り重賞2連勝と破竹の勢いのヤマノファイトと、コンビを組む阿部龍騎手。表彰式で感想を求められると「パドックからのほほ~んと自然体で、それでいて走るときは走る、スイッチの切り替えが上手なんだと思います。馬がしっかりしているので全面的に信頼して、自分も肩の力を抜いて騎乗できます。スパッと動けるタイプではないので、道中は要所要所気合を入れながら、いい場所を選んで進路が取れました。自分の走りができれば本当に強い馬なんです」と笑顔を広げた。

 前走イノセントC(ダ1200)から短期間での距離延長をクリアした村上正和調教師は「距離が伸びるので、前回のような体では重いだろうと中間調教量を増やして、結果あのマイナス体重(-12kg)になりましたが、状態は変わりなく順調でした。とにかく、馬がレースをわかっているって感じで、我慢もできるし、賢くて2歳馬とは思えない精神力ですよ。本当に、馬に感謝しかありません」と称賛した。次走については、北海道2歳優駿(Jpn3)から川崎競馬場で開催される全日本2歳優駿(Jpn1)を目指す。

 ヤマノファイトは、父エスポワールシチー、母ケイアイリード、その父フォーティナイナーという血統の2歳牡馬。平取町の山口明彦牧場のオーナーブリーディングホースで、半兄ヤマノミラクルは14年の北海優駿勝ち馬。2歳世代が初年度産駒となる父エスポワールシチーは、ヤマノファイトのイノセントCが産駒初重賞勝利となり、その後盛岡ジュニアGP勝ち馬モリノラスボス、金沢プリンセスC勝ち馬シオジスターなど地方重賞勝ち馬を量産し始めている。