道営スプリントを制したポアゾンブラックが引退
9月23日午前10時頃、引退レースとなった道営スプリント(H2)を優勝し有終の美を飾ったポアゾンブラック(牡8歳)が新ひだか町静内目名の岡田牧場に到着した。
ポアゾンブラックは父マイネルラヴ、母サンライトチーフ、母の父チーフベアハートという血統。G1競走6勝のゴールドシップ(牡8歳)と同じ日高町の出口牧場生産馬で、幼少時は同じ放牧地で過ごしていたという。
2010年の北海道オータムセール1歳市場にて325.5万円(税込)で村上憲政氏に購買され、兵庫県競馬の野田学厩舎からデビューした。新馬戦から破竹の5連勝を決め、兵庫3歳クラシックの一冠目・菊水賞を優勝した。兵庫ダービーでは1.1倍の1番人気に推されたが、メイレディの逃げを捕らえる事が出来ず2着に惜敗しJRAの本田優厩舎に移籍した。
JRAでは春雷ステークス(OP)、エニフステークス(OP)など4勝、芝ダート問わずに短距離戦線で活躍し、2014年のマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)では2着に健闘した。2015年にホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に移籍、この年は地方重賞のグランシャリオ門別スプリント(H3)を優勝、北海道スプリントカップ(Jpn3)2着、クラスターカップ(Jpn3)2着などグレードレースでの活躍が評価され「NARグランプリ2015最優秀短距離馬」を受賞した。2016年春、ホッカイドウ競馬の開幕に向けて育成先の岡田牧場で乗り込んでいた時、右前脚に第三手根骨盤状骨折を発症した。復帰には1年8か月もの長期休養を要したが、今年8月に復帰戦のOP特別を快勝、道営スプリント(H2)と連勝を決めた。
岡田牧場の漆原雄二マネージャーは「(脚元にボルトが入る)重傷で復帰出来ない可能性もありましたが『この馬をもう一度競馬場へ』を合言葉にスタッフ一同で取り組んできました。それだけに復帰後の2連勝は本当に嬉しかったです。サンデーサイレンスを持たない血統で馬格もあるので種牡馬としても期待出来ます」と期待を語った。来シーズンの繋養先はアロースタッドが予定されている(種付料未定)。