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道営重賞・栄冠賞はサザンヴィグラスが世代最初の重賞勝ち馬の座を奪取

  • 2017年07月04日
  • 直線、先頭に躍り出るサザンヴィグラス
    直線、先頭に躍り出るサザンヴィグラス
  • 迫りくる後続を凌ぎ世代最初の重賞勝ち馬となった
    迫りくる後続を凌ぎ世代最初の重賞勝ち馬となった
  • 2歳馬とは思えない堂々とした振る舞い
    2歳馬とは思えない堂々とした振る舞い
  • 川島(洋)厩舎も嬉しい重賞初勝利
    川島(洋)厩舎も嬉しい重賞初勝利
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

   6月29日、日本一早い2歳重賞となるTVh杯第42回栄冠賞(H2)【リオンディーズ賞】が、門別競馬場ダート1200mで行われた。

   フレッシュ、アタックチャレンジ競走を勝ち上がった牡馬8頭、牝馬5頭の計13頭が顔を揃え、一番人気に推されたのは、ローエングリン産駒のハッピーグリン。前走ウィナーズチャレンジでヤマノファイトに敗れはしたものの、出遅れから直線1/2馬身差まで追い込んできた豪脚は強烈な印象を残し、人気を集めた。2番人気はスーパーフレッシュチャレンジ競走を制したフリオーソ産駒、キタノシャガール。3番人気は新種牡馬・エスポワールシチー産駒のヤマノファイト。新種牡馬の産駒はこのヤマノファイトのほか、同じエスポワールシチー産駒の牝馬、ティーズロワール(7番人気)初年度産駒勝ち第一号を父ストロングリターンにプレゼントしたストロングキック(8番人気)がエントリーした。

   レースは、熾烈な先行争いからスクリーンヒーロー産駒のチェゴがアタマひとつ抜け出し、ビービーガルダン産駒のヨシノファルコン、キタノシャガール、パイロ産駒のタケショウパイロがほぼ横一線。人気のハッピーグリンはスタートでやや立ち遅れ、後方からの競馬となった。直線に入り、余力を無くして後退して行く先行勢の中からヤマノファイトが抜け出す。しかしその外からサウスヴィグラス産駒のサザンヴィグラスが一気に脚を伸ばし先頭へ。遅れてハッピーグリンが追いすがるも、時すでに遅し。キャリア2戦目のサザンヴィグラスが世代最初の重賞勝ち馬の座を奪取した。勝ち時計は1:15:1(曇・良)。3/4馬身差の2着にハッピーグリン、1馬身差の3着はヤマノファイトという結果だった。

   鞍上の五十嵐冬樹騎手は先週行われたヒダカソウCに続き、2週連続重賞勝ち。「2歳戦ですから、ゲートが開くまでどんな展開になるかわからない部分が多いです。その中で、この馬は一番いい形でレースができて、能力を発揮できたということだと思います。背中のいい馬で、能力の高さも今日で再確認できましたから、これからの成長が楽しみですね」と声を弾ませた。

   管理する川島洋人調教師は開業4年目で待望の重賞初勝利。「初めて強い相手とぶつかるので、速いペースに着いていけるかなど心配だったのは相手関係だけですね。道中は上手くいい位置に付け、直線での手応えも良かったので後ろから来る馬が気がかりでしたが、なんとかしのぎ切ってくれました。強い馬が出ると厩舎のモチベーションも上がりますね」と、喜びを爆発させた。この勝利でJRA函館競馬場で行われる函館2歳S(G3)への優先出走権が得られたが、出走に関しては思案中とのことだった。

   サザンヴィグラスは、父サウスヴィグラス、母スプライトダンス、その父ダンスインザダークという血統の2歳牡馬で、地元日高町にある株式会社カネツ牧場の生産馬。近親に99年のエルムS(G3)3着馬で、中央・地方合わせて19勝をあげたリワードタイタンがいる。

   今年最初に行われた3月16日の能検で50.4秒という破格の時計を出しており、デビュー戦でも後続を6馬身突き放すなど、早くから頭角を現していた。