馬産地ニュース

JBBAが第1回担い手研修

  • 2017年07月03日
  • 新ひだか町で行われた第1回担い手研修
    新ひだか町で行われた第1回担い手研修
  • 第1回研修に招かれた2名の講師
    第1回研修に招かれた2名の講師
  • 出席者から数多くの質問が寄せられた
    出席者から数多くの質問が寄せられた

   6月29日、公益社団法人日本軽種馬協会(以下JBBA)は、新ひだか町静内本町にある日高生産連ビル3階会議室において、「第1回担い手研修~軽種馬生産の担い手を対象とした経営支援に係る研修~」を開催した。

   この研修は平成29年度軽種馬経営高度化指導研修事業の一環。馬産地において喫緊の課題となっている担い手を支援する体制づくりのため、経営継承者および後継者、支援団体を対象としている。

   研修は全3回を予定。軽種馬生産育成牧場の円滑な経営に必要な知識の習得と、参加者間の意見交換にて経営者としての意識を醸成するとともに、地域での支援体制の強化を目指す。

   第1回は、公益社団法人中央畜産会資産・経営対策部の武田航部長による「軽種馬経営の財務管理パートⅠ 決算書の見方について考えてみよう」と、赤坂西法律事務所の鍋谷博敏弁護士による「軽種馬に係る契約」をテーマに講義。アドバイザーとして田村税理士事務所の田村禎一税理士、北海道酪農畜産協会経営支援部経営支援課の原田要主査、琉球大学農学部の杉村泰彦准教授、酪農学園大学 農食環境学群の小糸健太郎准教授を含め、若手の牧場後継者や継承者、担い手を支援する自治体や農協の職員など約50人が出席した。

   開会にあたりJBBA生産対策部の渡邉孝徳部長は「本日はお忙しい中、こんなにたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。また、講師の武田先生、鍋谷先生、アドバイザーの方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、快く足を運んでいただき、この場を借りて感謝申し上げます。この研修は競馬法に基づいた軽種馬生産振興事業の中で実施するものです。生産界からは担い手支援へのご意見、ご要望を多くいただいたことから、血縁関係のある後継者に対して、この研修を展開していくことになりました。メニューとしては財務管理、労務管理、契約書等に関することついて予定しています。この研修を活用して少しでも皆様の牧場経営に役立てていただくことを願っております」とあいさつした。

   軽種馬経営の財務管理について講演した武田部長は、平成6年に中央畜産会に入会。平成15年からJRAの生産地調査やJBBAの生産地実態調査などに協力している。現在は経営診断のスペシャリストとして活躍。講義ではJBBAが作成した軽種馬経営財務管理指導教本とスライドを交えて、損益計算書の仕組みや売上原価など、財務管理に関する基本的な考え方を示した。

   軽種馬取引に係る契約について講演した鍋谷弁護士は、1972年に弁護士登録。長年、軽種馬取引の紛争を多く手がけ研究を行ってきたこの分野の第一人者として知られている。講義ではJBBA発行の冊子「軽種馬契約に係る各種契約書について」をもとに、契約を締結する意義などを説いた。

   出席者からは「決算時の消費税の扱いについて」や「棚卸しの原価について」、「フリーリターンで種付けした場合の扱いはどうすればよいか?」などといった質問が寄せられ、講師やアドバイザーが丁寧に回答した。

   第2回担い手研修は9月に予定。財務管理のほか、労働基準法の考え方、社会保険、軽種馬取引に係る法律問題などが計画されている。