馬産地ニュース

道営重賞・ヒダカソウCはジュエルクイーンが重賞6勝目を飾る

  • 2017年06月27日
  • 後続を突き放すジュエルクイーン
    後続を突き放すジュエルクイーン
  • レコードタイムで連覇を達成した
    レコードタイムで連覇を達成した
  • 重賞6勝目となり、名牝の風格が漂う
    重賞6勝目となり、名牝の風格が漂う
  • 生産牧場からたくさんの応援団が駆けつけた
    生産牧場からたくさんの応援団が駆けつけた
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

   ホッカイドウ競馬では6月22日、牝馬による重賞レースAIR DO賞第3回ヒダカソウカップ(H3)【マジェスティックウォリアー賞】が門別競馬場内回り1600mで行われた。

   8月のブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を目指す3歳から6歳までのホッカイドウ競馬所属の牝馬たちに、岩手競馬からの遠征馬1頭を加えた9頭によって争われた。

   1番人気は、フェアリーS(G3)優勝馬で、今季からホッカイドウ競馬に移籍したビービーバーレル。中央在籍時代に挑戦した昨年のブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)では3着という実力上位馬だ。2番人気は昨年の覇者ジュエルクイーン。今季もコスモバルク記念、赤レンガ記念共に3着と、牝馬限定のこのレースは負けられない1戦。岩手から参戦のユッコはここまで重賞シアンモア記念を挟み三連勝中。3番人気に推された。

   雨は上がったものの馬場は回復せず、水の浮いた不良馬場でのスタート。8枠の2頭が飛び出し、ハタノフォルトゥナが先手を奪うとサクラパリュールが外目を追走。人気のビービーバーレル、ジュエルクイーンも並んで1コーナーを通過し、先頭集団を形成した。向こう正面で早くもビービーバーレル、ジュエルクイーンが動き、先頭へ躍り出る。ここから2頭のマッチレースかと思われたが、直線手前でビービーバーレルが伸びを欠き、ジュエルクイーンは更に加速。一人旅をはじめたジュエルクイーンは後続に9馬身もの差を付け、悠々とゴール板を駆け抜けた。勝ち時計1:39:8(曇・不良)はレコードタイム。2着は8番人気のステファニーラン、1馬身差の3着に6番人気のユウユウが入り、ビービーバーレルは6着と波乱の結果となった。

   前走(赤レンガ記念)からジュエルクイーンの手綱を取っている五十嵐冬樹騎手は、表彰式でのインタビューで「今日はチャンスだなと思っていましたが、ビービーバーレルという強い馬がいたので、目標に置いてレースを進めました。陣営の仕上げが良く、レコード勝ちという結果に驚いていますが、本当に強い勝ち方をしてくれましたね。折り合いもつくし先行力もある、乗りやすい馬なのでこれからもっと活躍してくれると思います」と次走に向け、手応えを掴んだようだ。

   管理する田中正二調教師は「2歳からずっとやってきて、こんな強い勝ち方をしたのは初めてなので驚いています。それだけ状態も良かったんだね。ビービーバーレルには去年のブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)の時負けてるから(ビービーバーレル3着、ジュエルクイーン4着)それだけが心配だったけど騎手が上手に乗ってくれました」と喜びを抑えきれない様子だった。

   今後は7月20日に行われるノースクイーンC(H2)から8月17日のブリーダーズゴールドC(Jpn3)を目指す予定。

   ジュエルクイーンは新ひだか町三石に位置する明治牧場のオーナーブリーディングホースで、父キンシャサノキセキ、母プラチナローズ、母の父クロフネという血統の5歳牝馬。祖母に98年のフラワーC(G3)優勝馬スギノキューティーがいる。2歳時エーデルワイス賞(Jpn3)2着、ホッカイドウ競馬休業期間に笠松へ移籍し、ラブミーチャン記念など東海地区の重賞を3勝。昨年はヒダカソウC(H3)、水沢のビューチフル・ドリーマーCを制しこれで重賞6勝目となった。