馬産地ニュース

新ひだか町静内で馬女ネットの研修会

  • 2017年06月09日
  • 研修会の様子
    研修会の様子
  • 講師を務めた松村富夫氏
    講師を務めた松村富夫氏
  • サルモネラ症について説明する前田友起子氏(写真提供/日高農業改良普及センター)
    サルモネラ症について説明する前田友起子氏(写真提供/日高農業改良普及センター)

 牧場で働く女性による団体、日高女性軽種馬ネットワーク(馬女ネット)の研修会が6月2日、日高農業改良普及センターで行われた。

 同団体は主に馬産地の牧場で働く女性で構成され、牧場の一員としてしっかりと経営参画できる技術・実力を養うべく、様々な研修に取り組んでいる。過去にはケイアイファームやダーレー・ジャパン・ファーム、チャンピオンズファーム、ノースヒルズ、ビッグレッドファームといった牧場へ出向き、牧場の協力を得ながら視察研修をしている。また、ホッカイドウ競馬の新マスコット「ナナセちゃん」の制作プロデュースなどの実績もある。

 今回は座学研修として2人の講師を招き、前半は、JRA競走馬総合研究所から松村富夫氏が「馬鼻肺炎生ワクチンとその使用法について」を話し、後半は、北海道日高家畜保健衛生所の前田友起子氏が「サルモネラ症とその対策について」を話した。出産・種付けシーズン後半ながら、会場には会員と関係者約20名が集まり、それぞれ解説に耳を傾けながら、真剣な表情で資料にメモをとる姿が目立った。両氏とも、伝染病の発生状況や病状をデータで示し、それを防ぐための対策について、消毒方法や有効な予防策についてわかりやすく説明した。講師を務めた前田氏は、「軽種馬牧場の特徴をふまえた資料を準備し、説明させていただきました。サルモネラ症は馬にも関わりますし、サルモネラ症は人にも感染します。日頃から消毒などして、ご注意いただきたいと思います。参加者の皆さまには、とても熱心に聞いていただき、今後もこうした場があれば、説明に努めていきたいです」と、感想を話していた。

 同団体の酒井百合子会長は、「今回の研修会では、馬を健康に管理、出産させるためには知っておきたい情報を多々得ることができ、特に、実際の発生状況や対策を細かく知ることができて良かったです。下痢や発熱の危険があるサルモネラ症については、牛の関連が強い認識がありましたが、馬についても気を付ける必要があり、初めて詳細を知った会員も少なくなかったと思います」と、振り返っていた。

 馬女ネットでは随時、新規会員を募集中で、会員になるとこうした座学研修や、牧場の視察研修などに参加できる。問い合わせは日高農業改良普及センター・電話0146-42-1489で、今年は病気をテーマとした研修のほか、秋頃には恒例の牧場視察研修を予定している。