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軽種馬育成調教センターで育成調教技術者養成研修第35期生開講式

  • 2017年04月05日
  • 式辞を述べる大平俊明軽種馬育成調教センター理事長
    式辞を述べる大平俊明軽種馬育成調教センター理事長
  • 入講した第35期生と開講式に出席した関係者
    入講した第35期生と開講式に出席した関係者
  • 開講式後に開かれた昼食会
    開講式後に開かれた昼食会

 4月4日、公益財団法人軽種馬育成調教センター(大平俊明理事長)は、浦河町西舎にある軽種馬育成調教センター「軽種馬診療所」2階において、育成調教技術者養成研修第35期生開講式を行った。

 この研修は、競馬の安定的発展のための軽種馬生産基盤の強化と軽種馬の資質向上に向けて、将来軽種馬生産地において技術的中核となるべき者に馬に関する体系的な技術・知識を習得させることを目的としたもの。平成4年4月に研修期間6か月でスタートし、平成11年4月からは1年の研修期間となっている。第1期生から4月14日に修了式を迎える第34期生までの修了者数は496名(女子62名含む)となる。

 第35期生は、34名の応募者の中から第1次選考、第2次選考を経て選ばれた、北海道、秋田県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県から集まった、18歳から21歳までの19名(女子2名含む)。19名の半数は体験入学会やBOKUJOBを通じて、この研修を志したという。

 第35期生の家族や来賓らが出席した開講式で、大平俊明理事長は「近年では日本調教馬の海外での活躍が、スポーツ紙といった専門のマスメディアだけでなく、一般の新聞紙上やマスコミでも報じられるようになりました。最近は騎手ばかりではなく、生産や育成関係者も取り上げられるような状況になっていると思います。それだけ日本の生産や育成の技術は日進月歩しており、目覚しく発展したといえます。今や日本の競馬界の技術や知識は、世界をリードしているといっても過言ではないと考えております。入講前の皆様の期待や抱負を拝見しましたが、海外に通用する、あるいは勝てる馬づくりを目指している方が大半でした。BTCの研修を巣立った先輩方からも、JRAの厩務員や調教師に転身し、大きな夢をつかもうと努力されている方もいます。ゼロからのスタートですが、知識や知見を大きく増やし、また技術を磨き、立派なホースマンへの基礎づくりに励んでほしいです。そして、先輩方と早く肩を並べられるようになってください。この研修はBTCの事業の大きな柱の1本となっています。慢性的に不足する牧場就業者のお役に立とうという思いで、担当教官や寮生活の世話をする寮監は、1年間怪我なく無事に成長することを願っています。協調性を持って楽しい寮生活を送ってください」と式辞を述べた。

 来賓の山口修二日高振興局長は「昨年の競馬では、年度代表馬であるキタサンブラックや最優秀障害馬のオジュウチョウサンなどがG1レースで勝利したことに加えまして、モーリスやエイシンヒカリが海外G1を制覇するなど、国内外において日高産馬が目覚しい活躍をしました。こうした強い馬づくりには、生産、育成、調教などに携わる人材が欠かせません。皆様には本日入講した仲間とともに、強い馬づくりに必要な講習やトレーニングに励み、お互いに支えあって充実した研修生活を送ってください。日高管内は、これから暖かくなり桜も開花します。休みの日には日高管内の素晴らしい景観や、山の幸、海の幸を楽しんでリフレッシュしてください。1年後、競馬界を支える人材として、そして、ゆくゆくは国内、あるいは国外で認められる、日高が誇るホースマンを目指して、大きく成長されることを心より期待しています」

 池田拓浦河町長は「19名の皆さん、入学おめでとうございます。ようこそ、浦河町へいらっしゃいました。心から歓迎申し上げます。こういう小さな町ですから、皆様は家族も同然です。困ったことがあったら先生や仲間と解決してください。それでも困ったら気軽に役場のほうへ相談にきてください。何もない街ですが、満天の星空とすばらしい日高山脈、青い太平洋が皆様を歓迎してくれます。1年間、長いと思いますが、皆様の人生で一番重要な密度の濃い時と思います。研修は非常に厳しいと聞いています。集団生活も初めての方が多いでしょう。苦しいことがあっても来年の4月には19名が揃って、今もっている夢を実現できることを祈っています。1年間頑張ってください」

 平賀敦日本中央競馬会日高育成牧場長は「皆さんは今日、ホースマンになるための、一歩も二歩も前のスタートラインに立ちました。1年間の研修はうまくいかないことの連続と思います。しかし、1年後には馬にちゃんと乗れるようになり、来年の今頃は、JRAの育成馬で相当早いスピードで馬場で乗っているでしょう。BTCのスタッフは教官も含め全員がプロフェッショナルです。全幅の信頼を置いて研修に臨んでください。うまくいかないときでも自分の夢を思い浮かべて努力してください。1年後には馬の世界に入ってくれることを願っています」と祝辞を送った。