馬産地ニュース

浦河町で乗馬療育シンポジウム

  • 2016年12月01日
  • 引退競走馬の福祉や医療への転用を訴える角居勝彦調教師
    引退競走馬の福祉や医療への転用を訴える角居勝彦調教師
  • 講演するホースクリニシャンの宮田朋典氏
    講演するホースクリニシャンの宮田朋典氏
  • シンポジウムには約150人が出席した
    シンポジウムには約150人が出席した

 11月28日夜、浦河町のうらかわ乗馬療育ネットワーク(春日法子会長)は、浦河町東町にある浦河町ふれあい会館において、乗馬療育シンポジウムin浦河「馬は理想のセラピスト2016~乗馬療育ってなぁに?」を開催した。

 シンポジウムを主催したうらかわ乗馬療育ネットワークは、乗馬療育の普及、発展のために乗馬療育を実施する団体、利用者、医療機関、行政、福祉従事者などをメンバーに設立。都市部におけるシンポジウムやバリアフリー馬車会によるPR活動、障がい児、障がい者を対象としたツアーなどを開催しているほか、人材育成のための研修会や研修生の受け入れなど、浦河町に乗馬療育が根付くための活動を行っている。

 シンポジウムは昨年に続き2回目。当日はネットワークの会員のほか、池田拓浦河町長や町議会議員、乗馬愛好家、育成牧場関係者、軽種馬生産者、障がい者の家族、医療関係者など約150人が出席した。

 シンポジウムの開会にあたり、主催者を代表して春日法子会長は「当ネットワークは一般財団法人ホースコミュニティ様や地域の医療や福祉関係者の協力のもと活動しています。昨日と今日行われた研修会も多くの方々に足を運んでいただき、無事に終わることができました。乗馬療育は子供からお年寄りまで、心や身体に良い影響を与えます。ぜひ末永くこの乗馬療育が続いてほしいとネットワークを立ち上げましたので、これからもよろしくお願いいたします」とあいさつした。

 シンポジウムでは、ホースコミュニティ代表理事で本ネットワーク副会長でもあるJRA日本中央競馬会調教師の角居勝彦氏が「馬と人の新たな関係性」について、ホースコミュニティの江刺尚美乗馬療育インストラクターと川邉真歩作業医療士が「乗馬療育ってなぁに?」、うらかわ乗馬療育ネットワークの門田祐季・今村理恵乗馬療育インストラクター研修生が「研修生の紹介~乗馬療育の世界に飛び込んできた私たち~」、浦河町地域おこし協力隊の辰巳遥さんが「今までの活動と乗馬療育のこれから」、ホースクリニシャンの宮田朋典カウボーイアップランチ代表が「馬のメンタルから学ぶ、人との関わり」をテーマに講演した。

 出席者からは「目が見えない方、耳が聞こえない人でも馬に乗れますか?」、「セラピーホースに適した馬の基準はありますか?」、「馬に触っていたいのですが、馬とあえて距離をとらなければいけないときはあるのでしょうか?」といった質問が寄せられ、それぞれの講師が丁寧に答えたりアドバイスを送った。