馬産地ニュース

日本軽種馬青年部連絡協議会が講習会

  • 2016年11月25日
  • 「ホースマンとは」をテーマに講演した岡田牧雄氏
    「ホースマンとは」をテーマに講演した岡田牧雄氏
  • 主催者を代表して挨拶する長浜大介理事
    主催者を代表して挨拶する長浜大介理事
  • 講習会には全国から約40名の青年部員が参加した
    講習会には全国から約40名の青年部員が参加した

 11月24日夜、日本各地の軽種馬青年部で組織する日本軽種馬青年部連絡協議会(辻陽会長、会員224名)は、札幌市内のホテルにおいて、JRA馬主で新ひだか町静内目名にある岡田スタッド代表である岡田牧雄氏を講師に迎え、講習会を開催した。

 講習会は連絡協議会の恒例行事。今年は全国から約40名の青年部員が参加した。講習会開催にあたり主催者を代表して長浜大介理事は「本日はお忙しい中、講習会にご出席いただきありがとうございます。今年の講師には皆様ご存知の岡田スタッド代表岡田牧雄様をお迎えしました。昨日は生産馬ローズジュレップ号の兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)優勝おめでとうございました。岡田スタッド様の生産馬や育成馬は、とても活躍されております。今日は生産や育成など貴重なお話が聞けると思います。皆様にとって有意義な講習会になるよう祈念いたします」とあいさつした。

 講師の岡田氏は1952年静内出身。父が経営する岡田蔚男牧場を引き継ぎ、1972年に現在の岡田スタッドへ改称。2011年に日高町にオカダスタッドを開場し徐々に規模拡大。新ひだか町豊畑にノルマンディーファーム、福島県小野町にノルマンディーファーム小野町と3か所で調教施設を展開し、生産から育成調教まで総合的な競走馬管理を行っている。

 岡田スタッド生産馬では2007年の有馬記念(G1)優勝馬マツリダゴッホ、2010年から2011年にかけJBCクラシック(Jpn1)、東京大賞典(Jpn1)など統一Jpn1を6勝したスマートファルコン、2015年の東京大賞典(G1)優勝馬サウンドトゥルーなどを輩出。今年も生産馬の活躍は目覚しく先週末までにJRAで50頭63勝をマーク。創業以来最多勝利数を記録した2014年を既に21勝も上回る勝ち星を挙げている。獲得賞金においても初めて10億円を突破し、現在JRA生産者ランキングは4位と日高を代表する牧場へと成績を押し上げている。

 また、JRA馬主としては2014年のスプリンターズS(G1)優勝馬のスノードラゴンなど多くの活躍馬を所有。本年度はリッカルドがエルムS(G3)に優勝したほか、現2歳世代では札幌2歳S(G3)2着のブラックオニキス、アルテミスS(G3)3着のシグルーンなどを所有。さらに岡田スタッドが母体となり運営するノルマンディオーナーズクラブの所有馬からも京王杯2歳S(G2)3着のディバインコード、先週の秋明菊賞を快勝したアリンナなど、来年のクラシック戦線へ向け、素晴らしい活躍を見せる。そして、11月23日に園田競馬場で行われた兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)では、岡田スタッド生産でノルマンディーサラブレッドレーシングが所有するホッカイドウ競馬所属のローズジュレップが勝利を収めた。

 現在は岡田スタッドグループ以外にも、スクリーンヒーローやマツリダゴッホ、ローエングリンなどの種牡馬を管理する(株)レックス代表取締役、一般社団法人日本競走馬協会監事も兼任。自他ともに認める馬券師としても有名で、週刊ギャロップ誌では「岡田牧雄・馬券術・長の一念」を連載し、ファンのみならず多くの競馬関係者が注目する人気コラムとなっている。

 「ホースマンとは」をテーマにした講演で岡田氏は、競馬先進国を例に取り、「生産者がイニシアチブを取らなければその国の競馬が発展しない」と力説。自身も実践して成果をあげる「生産者自らが競走馬を共有(所有)して賞金を取りにいくオーナーブリーダーを目指すべき」と熱く語った。

 また、中央競馬や地方競馬、ホッカイドウ競馬について、せり市場、サラブレッドオークション、種牡馬産業、競走馬事業のマネジメント方法、若手生産者へ求めること、海外馬券発売などについても言及。最後は馬券名人らしく、11月27日に行われるジャパンC(G1)の予想も披露した。