馬産地ニュース

2016年度軽種馬後継者研修が開講

  • 2016年11月08日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場事務所2階で行われた開講式
    日本軽種馬協会静内種馬場事務所2階で行われた開講式
  • 場内にある軽種馬生産技術総合研修センターを見学
    場内にある軽種馬生産技術総合研修センターを見学
  • 軽種馬生産育成技術者研修第38期生と一緒に講義
    軽種馬生産育成技術者研修第38期生と一緒に講義

 11月7日、公益社団法人日本軽種馬協会は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場において、2016年度軽種馬後継者研修を開講した。

 この研修は、わが国の競馬をいっそう発展させ、また、生産界の期待に応え得るための後継者やスタッドマネージャーを養成するためのもの。JRA日本中央競馬会の助成を受け、平成4年から開講している。今年で25年の歴史を有し、これまでに217名の研修修了生を、軽種馬生産界に送り出している。

 本年度の研修には、浦河町、新ひだか町、新冠町、日高町から7名の牧場後継者や牧場従業員が入講。開講式では中西信吾場長が「わが国は平成19年から国際的に認められたパートⅠの競馬国となり、名実ともに競馬先進国の仲間入りを果たし、近年では日本産馬が、海外の競馬で活躍するような時代になりました。一方、軽種馬生産界では、せり市場の好調が昨年より続いており、北海道市場においては、前年を超える総売り上げを記録しました。とくにオータムセールでは、売却率で史上初の70%超えを記録しました。これは生産者の皆様が強い馬づくりを目指して日々努力し研鑽を積んだ結果とおもいます。しかし、せり市場は好調でしたが、後継者不足の問題など、軽種馬生産界では多くの課題を抱えています。この状況を打開するためにも強い馬づくりがますます重要であり、この研修を受講される皆さまのような意欲的な方が、優れた技術を身につけていくことが不可欠です。皆さまが本日から受ける研修内容は多岐にわたっており、馬の飼養管理や繁殖に関する幅広い知識などを最先端の講師にお願いしてわかりやすく研修していただきます。研修中は健康に留意され、ホースマンとしての研鑽に努め、そして、現在厳しい状況にある生産界に新たな活力をもたらす原動力になってください」と河野洋平会長理事の式辞を代読した。

 開講式のあとは、軽種馬生産技術総合研修センターなどの場内の施設や、エスケンデレヤ、ケープブランコ、ヨハネスブルグ、バゴ、ケイムホームといった種牡馬を見学。施設の概要や目的、種牡馬をモデルに種牡馬の特徴や馬の見方について説明された。

 続いて、研修所へ場所を移し初日の講義がスタート。軽種馬生産育成技術者研修第38期生と机を並べて、子馬の管理・疾病について学んだ。

 研修は11月7日から18日までの土曜・日曜を除く10日間。研修カリキュラムは下記の通り。
 11月7日:「子馬の管理・疾病について」講師:JRA日高育成牧場(冨成雅尚氏)
 11月8日:「繁殖牝馬の管理・疾病について」講師:JRA日高育成牧場(村瀬晴崇氏)、乗馬
 11月9日:「蹄の管理について」講師:軽種馬生産技術総合研修センター(田中弘祐調査役)、乗馬
 11月10日:「馬の見分け方について」講師:JRA日高育成牧場(宮田健二氏)、乗馬
 11月11日:「馬の初期馴致について」講師:JRA日高育成牧場(秋山健太郎氏)、乗馬
 11月14日:「JRA調教師との談話会」講師:日本調教師会関西本部(高橋義忠氏)、乗馬
 11月15日:「日本の馬産を考える」講師:有限会社藤沢牧場(藤沢澄雄氏)、乗馬
 11月16日:「馬の栄養・飼料について」講師:JRA日高育成牧場(松井朗氏)、ロンジング・ドライビング
 11月17日:「草地・土壌について」講師:日高農業改良普及センター(川田恒氏)、乗馬
 11月18日:「牧場での仕事と腰痛について」講師:医療法人仁陽会西岡第一病院(山本泰雄氏)