馬産地ニュース

平取で馬の飼養管理講習会が行われる

  • 2016年11月08日
  • 会場(びらとり温泉ゆから)
    会場(びらとり温泉ゆから)
  • 研修対象馬の1頭(カシマフラワー、14歳、牝)
    研修対象馬の1頭(カシマフラワー、14歳、牝)
  • 講師のレベッカ氏と北嶋会長(右)
    講師のレベッカ氏と北嶋会長(右)
  • 中央がファームコンサルタントの三浦獣医師
    中央がファームコンサルタントの三浦獣医師

 平取町の軽種馬生産者で構成される平取軽種馬生産振興会(北嶋桂和会長)は、11月1日、町内温泉施設会議室で飼養管理に関する座学講習会を行い、翌2日は、実際に馬を使った北島牧場で実馬を使って飼養管理に関する実習を行った。

 「今回はテーマを’馬の餌’という基本に戻した講演会です。また、全員が話に参加できるように町内の牧場に限り案内をして、地域が連携してスキルの向上を目指すことを目的としました。」。と北嶋会長。この意向に、町内の21牧場の約半数が参加して活発な意見交換が行われた。

 講演は、国内外の牧場で豊富な経験を持つファームコンサルタントの三浦久延獣医師による「飼養管理とボディコンディショニングスコア」と、アイルランドの世界的飼料会社レッドミルズ社のアジア担当飼養管理指導者レベッカ・ワトソン獣看護師による「アイルランドにおける事例紹介」だった。

 講演では、特に繁殖牝馬について、種付け時期の管理から、出産、離乳時期や上がり馬、空胎馬など諸条件に合わせた飼養管理方法の説明が行われた。 

 講演会の後の意見交換会では、各牧場から「この時期、離乳後の体重が増えないで困っている。」「食べる餌と食べない餌の好みが激しく、栄養のバランスが心配。」などの質問が相次ぎ、講師の意見や仲間の経験した事例などが発言されて有意義な講演会となった。

 また翌日の実馬研修では、「馬は状況により太って見えたりします。正確なボディコンディショニングスコアを知るために、馬の背やあばらを触って、実際にどのくらい脂肪が乗っているか触診することも大事です。」など実馬を使った具体的な指導が行われた。

 近年は、体調のバランスを整える飼料なども多く使用されているが、各牧場の質問に、栄養価の高い青草が基本だとしながら、補足する必要な飼料などの説明が行われた。講師の方や仲間との充実した意見交換に参加した各牧場は、それぞれに飼養管理のテーマが明確になった様子で内容のある講習会となった。

 会場となったびらとり温泉「ゆから」は、新しく出来た綺麗な温泉で、湯上りがさっぱりとする炭酸泉が人気。A5ランクのびらとり和牛や有名になったトマト「ニシパの恋人」を使ったピザなどを堪能できる。

 日高富川ICから車で約20分、日高の牧場見学の入り口に位置しますので見学旅行の宿にもご利用できます。