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グラスワンダーが移動

  • 2016年11月01日
  • ビッグレッドファームに到着したグラスワンダー
    ビッグレッドファームに到着したグラスワンダー

  • 来年以降も種牡馬生活を継続するという
    来年以降も種牡馬生活を継続するという

 10月29日、2007年から日高町富川東にあるブリーダーズ・スタリオン・ステーションにて種牡馬生活を送っていたグラスワンダーが、新冠町明和にあるビッグレッドファームへ移動した。

 グラスワンダーは父シルヴァーホーク、母アメリフローラ、母の父ダンジグという血統。1995年生まれのアメリカ産馬で牡21歳の栗毛。

 競走成績は15戦9勝。1997年9月の新馬戦をデビュー勝ち。つづくアイビーS、京成杯3歳S(G2)を連勝して重賞初制覇を飾ると、朝日杯3歳S(G1)を1:33.6のレコードタイムで優勝。デビューから4連勝でG1ホースとなり、文句なしでJRA賞最優秀2歳牡馬に選ばれた。1998年春シーズンは骨折のため休養を余儀なくされたが、秋に復帰すると暮れのグランプリレース有馬記念(G1)に優勝。1999年は京王杯スプリングC(G2)優勝をはさみ宝塚記念(G1)制覇、毎日王冠(G2)優勝をはさみ、有馬記念(G1)連覇と、グランプリレース3連覇を達成し、JRA賞特別賞を受賞した。

 2001年から社台スタリオンステーションで種牡馬入り。主な産駒には2008年のジャパンC(G1)優勝馬スクリーンヒーロー、2011年の宝塚記念(G1)優勝馬のアーネストリー、2008年の朝日杯フューチュリティS(Jpn1)優勝馬のセイウンワンダー、2010年の全日本2歳優駿(Jpn1)優勝馬のビッグロマンス、2008年の中山グランドジャンプ(JG1)優勝馬のマルカラスカルなどがおり、産駒デビュー年から毎年のように重賞勝ち馬が出ている。また、最近は孫の代からも活躍馬が出てきており、母の父としては2013年のオークス馬メイショウマンボ、ヤマカツエース、マイネルフロストなどが、後継種牡馬のスクリーンヒーローからは、今年の天皇賞(秋)(G1)を制したモーリスなどが登場している。

 種牡馬として16年目を迎えた今年は65頭に種付け。繋養地は移るが、来年以降も種牡馬生活は継続する。ビッグレッドファームは「長年続いたシンジケートが解散することになり、当ファームが譲り受けることになりました。当ファームが生産育成したグラスワンダーの産駒には、マイネルレーニア、コスモヘレノス、マイネルスケルツィ、マイネルローゼン、マイネルクラリティなどがいて相性がよいので、グラスワンダーには良いイメージしかありません。早く新しい環境に慣れさせて、来年以降も種牡馬として元気にがんばってほしいですね」と期待をかけた。