馬産地ニュース

サッポロクラシックカップはフライングショットが差し切り勝ち

  • 2016年10月24日
  • 先に抜け出したローズジュレップを追い詰めるフライングショット
    先に抜け出したローズジュレップを追い詰めるフライングショット
  • 1/2馬身交わしてフライングショットが優勝
    1/2馬身交わしてフライングショットが優勝
  • 7戦目で重賞初勝利を飾った
    7戦目で重賞初勝利を飾った
  • 牧場から駆けつけた応援団もニッコリ
    牧場から駆けつけた応援団もニッコリ
  • レース名となっているサッポロクラシックビールが送られた
    レース名となっているサッポロクラシックビールが送られた

 秋に行われる各地の2歳主要競走を短期集中で施行する「未来優駿シリーズ」の第4戦、第3回サッポロクラシックカップ(H2)【パイロ賞】が10月19日、門別競馬場ダ1200mで行われた。

 今年の出走馬は牡馬8頭、牝馬3頭の計11頭。1.2倍という断然の1番人気に推されたのはメンバー中唯一の3勝馬、ロージズインメイ産駒のローズジュレップ。前走同条件で行われたウィナーズチャレンジ競走を5馬身差で圧勝しており、ここでは頭一つ抜けた存在だ。離された2番人気はタートルボウル産駒のフライングショットで7.0倍。前々走アタックチャレンジ競走で勝ち上がると、続くイノセントCを3着するなど成長力が見込まれている。12.0倍の3番人気はカネヒキリ産駒のスーパーステション。デビュー勝ち以降、ずっと重賞を使われている同馬の実績は間違いなく世代上位だ。

 バラついたスタートからハナを主張したのは牝馬のストレンジウーマン。抑えきれない勢いでそれに取り付くローズジュレップに、コスモアリオーゾ、スーパーステションの先行勢がピッタリマーク。しかし、3コーナーを周る頃にはスピードの違いでローズジュレップが先頭に立ち、早くも後続を突き放しにかかった。直線に入り、追いかけていたコスモアリオーゾ、スーパーステションと入れ替わるようにフライングショットが中団から一気にスパート。一完歩ごとにローズジュレップを追い詰め、残り50m辺りで交わし去りゴール板に飛び込んだ。勝ち時計は1:15:0(晴・良)2着ローズジュレップとの着差は1/2馬身、そこからさらに5馬身離された3着は、粘り切ったスーパーステションが入線した。

 鞍上の五十嵐冬樹騎手は、1週間前に地方・中央通算2000勝という大記録を達成したばかり。これはホッカイドウ競馬生え抜き騎手では初の快挙であり、今回の勝利も、記録に花を添える形となった。「これまでいいものは持っているけど、幼い面をレースで見せてしまったりで中々実力を出しきれずにいましたが、今回は精神面での成長を感じていたので期待はしていました。ゲートが心配でしたが、それも上手くこなしてくれましたし、ゆったりしたトビで落ち着いてレースができましたね。自分自身も久々の重賞勝利なので力が入りました」と笑った。

 五十嵐騎手の師匠でもある桑原義光調教師は「春からずっと期待していた馬だけに、やっと期待に応えられたことにまずはホッとしています。今日はゲート内で待たされてヒヤヒヤしたけど、何日もゲート練習を重点的にやってきたし、なんでも上手く行くときは上手く行くんだね。騎手も2000勝ジョッキーとして恥ずかしくないレースをしてくれたし、チャンスは何度も訪れるわけじゃないから、チャンスをしっかりモノにしたことを素直に褒めてあげないとね」と満面を笑みを浮かべていた。

 フライングショットは父タートルボウル、母フライングバルーン、母の父デュランダルという血統の2歳牡馬。千歳・社台ファームの生産馬で、父タートルボウルにとって日本で生まれた産駒の初重賞制覇となった。今後は船橋競馬へ移籍し、活躍の場を広げる予定だ。