馬産地ニュース

静内軽種馬生産振興会が功労馬慰霊祭

  • 2016年09月21日
  • 桜舞馬公園で開催された功労馬慰霊祭
    桜舞馬公園で開催された功労馬慰霊祭
  • 玉串をささげて供養する中西信吾日本軽種馬協会静内種馬場場長
    玉串をささげて供養する中西信吾日本軽種馬協会静内種馬場場長
  • ダイナガリバーの墓碑
    ダイナガリバーの墓碑
  • ティンバーカントリーの墓碑
    ティンバーカントリーの墓碑
  • メジロライアンの墓碑
    メジロライアンの墓碑
  • スマートボーイの墓碑
    スマートボーイの墓碑
  • 桜舞馬公園中央に鎮座するテスコボーイ像
    桜舞馬公園中央に鎮座するテスコボーイ像

   9月17日、新ひだか町静内地区の生産者で組織する静内軽種馬生産振興会(田中裕之会長)は、新ひだか町静内田原にある桜舞馬公園(オーマイホースパーク)において、功労馬慰霊祭を開催した。

   功労馬慰霊祭は振興会の伝統行事。桜舞馬公園には、数多くの功労馬の墓碑が建立されており、功労繁殖雌馬之碑には多くの名牝の名が刻まれている。また、馬産の中心である町内の各牧場にも永眠している多くの功労馬がいることから、毎年9月17日に桜舞馬公園を会場に慰霊祭を開いている。

   公園内には今年は新たに、1986年の日本ダービー(G1)馬で、1988年から2001年まで新ひだか町静内目名のレックススタッドで種牡馬生活を送り、2012年4月に死亡したダイナガリバー、1994年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬で、1996年に輸入され、2002年からレックススタッドで種牡馬生活を送り、2004年のフェブラリーS(G1)などG1 7勝をあげたアドマイヤドンなどの産駒を輩出し、今年2月に死亡したティンバーカントリー、1991年の宝塚記念(G1)などを制し、1993年から2007年まで新ひだか町静内田原のアロースタッドで種牡馬生活を送り、メジロドーベルやメジロブライトなど数多くの重賞勝ち馬を輩出し、今年3月に洞爺湖町成香のレイクヴィラファームで死亡したメジロライアン、2000年、2001年のアンタレスS(G3)連覇などダート重賞5勝をあげ、2004年からアロースタッドで種牡馬生活を送り、今年4月に心不全のため死亡したスマートボーイという4頭の墓碑が建立され、種牡馬の墓碑は31基33頭、繁殖雌馬の墓碑は5頭、功労繁殖雌馬之碑は47頭、功労種牡馬之碑は22頭となった。

   この日は田中裕之会長をはじめとした振興会会員のほか、中西信吾日本軽種馬協会静内種馬場場長、酒井芳秀新ひだか町町長、細川勝弥新ひだか町議会議長、西村和夫静内農業協同組合代表理事組合長、加藤一典日高家畜保健衛生所所長、福谷洋一日高農業改良普及センター所長、渡邉和典日高軽種馬農業協同組合理事、岡田隆寛アロースタッド代表取締役社長のほか、(株)ジェイエス、(株)レックス、レックススタッド、グランド牧場、レイクヴィラファームの関係者など約40名が参列。静内神社の山田一孝宮司の神事により功労名馬たちを供養した。

   田中裕之会長は新たに建立した4頭の功労馬のプロフィールを紹介し、「本日はご多忙のなか、功労馬慰霊祭に出席していただき、誠にありがとうございます。また、祭壇には神饌物やお供えを献上していただき、重ねて御礼申し上げます。さて、本年8月にはリオオリンピック開催があり、2020年の東京オリンピックに向けて日本の景気は良好で、セレクションセールやサマーセールには、全国からたくさんのオーナーや調教師といったお客様が日高にこられ、活気のあるセールとなりました。気象の変化や社会現象、流行などは"変わるもの〟と思います。また、制度や規則、法律などは必要に応じて"変えるもの〟だと私は思っております。そして、先祖を思う気持ちや先人が残した功績を敬う心は、"変えてはならないもの〟のひとつではないでしょうか。ここに祭られている馬たちの魂に感謝するとともに、オリンピックで活躍する日本人選手のように、世界の舞台で走り、勝利するサラブレッドを、いつかこの静内から生産できることを願うばかりです。今日は時間の許す限り、旅立った名馬の思い出を話しましょう」と挨拶した。