馬産地ニュース

オペラハウスとキンググローリアスを偲ぶ会が執り行われる

  • 2016年07月22日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場で執り行われた神前法要
    日本軽種馬協会静内種馬場で執り行われた神前法要
  • 馬頭観世音横に建立されたオペラハウスの墓碑
    馬頭観世音横に建立されたオペラハウスの墓碑
  • キンググローリアスの名が刻まれた石碑
    キンググローリアスの名が刻まれた石碑
  • 祭壇に飾られたオペラハウスとキンググローリアスの遺影
    祭壇に飾られたオペラハウスとキンググローリアスの遺影
  • 愛馬の冥福の祈る西村啓二副会長常務理事
    愛馬の冥福の祈る西村啓二副会長常務理事

 7月20日、新ひだか町静内にある日本軽種馬協会静内種馬場において、4月20日に左後肢基節骨(繋骨)の粉砕骨折を発症し予後不良と診断され、安楽死の処置が取られたオペラハウスと、7月2日に老衰のため死亡したキンググローリアスの神前法要、オペラハウスとキンググローリアスを偲ぶ会が執り行われた。

 偲ぶ会には西村啓二副会長常務理事、木村貢副会長理事、高橋秀昌理事、中西信吾場長や種馬場スタッフ、職員、生産育成技術者研修の第38期生などが参列。事務所横にある馬頭観世音前に設置された祭壇で焼香して供養した。

 西村啓二副会長常務理事は「オペラハウスに続きキンググローリアスも亡くなり、少し気が沈んでいましたが、このたびオペラハウスのお墓も完成し、今日慰霊祭を迎えることになりました。私が申し上げるまでもなく、オペラハウスはテイエムオペラオー、メイショウサムソンというチャンピオンホースを2頭も輩出してくれました。また、キンググローリアスは、ナムラコクオー、ワンダースピードという名馬を出し、この世界に貢献してくれました。私ども、競馬とか生産に携わる者は、やはり、もう一度彼らに感謝して、冥福を祈りたいと思います。本日は雨のなかご参列いただきありがとうございました」と挨拶し、2頭の生前を偲んだ。

 オペラハウスは父サドラーズウェルズ、母カラースピン、母の父ハイトップという血統のイギリス産馬。現役時代は1993年のキングジョージ六世&クイーンエリザベスS(G1)、エクリプスS(G1)、コロネイションC(G1)など18戦8勝の成績を残し、1993年欧州最優秀古馬となった。

 現役引退後の1994年から静内種馬場で供用を開始。2012年、静内種馬場での供用を最後に種牡馬を引退し、静内種馬場で功労馬として余生を送っていた。

 主な産駒は2000年ジャパンC(G1)などG1 7勝をあげた2000年JRA賞年度代表馬のテイエムオペラオー、2006年の日本ダービー(G1)、皐月賞(G1)、2007年の天皇賞(春)(G1)、天皇賞(秋)(G1)などを制したメイショウサムソンら多数。中央、地方で14頭の重賞勝ち馬を輩出したほか、供用初年度の1994年から引退年である2012年まで全ての世代から勝ち馬を送り出した。また、近年では母の父としても実績を残し、母の父としては2015年JRA最優秀2歳牝馬で今年のNHKマイルC(G1)を快勝したメジャーエンブレムを送り出している。

 キンググローリアスは父ニーヴァス、母グローリアスナタリー、母の父リフレクティドグロリーという血統のアメリカ産馬。現役時代は1988年のハリウッドフューチュリティ(G1)、1999年のハスケル招待H(G1)など9戦8勝の成績を残した。

 現役引退後の1990年より静内種馬場で供用を開始。2010、年静内種馬場での供用を最後に種牡馬を引退し、静内種馬場で功労馬として余生を送っていた。

 種牡馬としては初年度産駒がデビューした1993年に、ナムラコクオーらの活躍によってファーストシーズンチャンピオンサイアーと2歳(旧3歳)総合チャンピオンサイアーを獲得。主な産駒には東海S(G2)など重賞5勝し種牡馬入りしたワンダースピード、サンスポ4歳牝馬特別(G2)勝ち馬のマックスキャンドゥ、デイリー杯3歳S(G2)優勝のボールドエンペラー、NHK杯(G2)などを制したナムラコクオーなど、中央、地方で20頭の重賞勝ち馬を輩出している。