馬産地ニュース

セレクションセール開催

  • 2016年07月22日
  • 開催に先立ち、同セール出身活躍馬の表彰が行われた
    開催に先立ち、同セール出身活躍馬の表彰が行われた
  • 最高価格馬・テンイムホウの2015(牡、父ルーラーシップ)
    最高価格馬・テンイムホウの2015(牡、父ルーラーシップ)
  • 高額取引2位のレオソレイユ2015(牡、父ロードカナロア)
    高額取引2位のレオソレイユ2015(牡、父ロードカナロア)
  • 3番目の高額タイのムーンザドリームの2015(牡、父ルーラーシップ)
    3番目の高額タイのムーンザドリームの2015(牡、父ルーラーシップ)
  • 3番目の高額タイのダイワエンジェルの27(牡、父ハードスパン)
    3番目の高額タイのダイワエンジェルの27(牡、父ハードスパン)
  • 牝馬の最高価格、エーシンラージシー2015(牝、父サウスヴィグラス)
    牝馬の最高価格、エーシンラージシー2015(牝、父サウスヴィグラス)

 7月19日、新ひだか町静内の北海道市場で「セレクションセール2016」が開催された。

 前日に行われた事前展示には多くの購買者が集まり、登録者数は474名と過去最高。パワーセールになりそうな予感はあったが、蓋を開ければ売却率、売上総額ともに売上レコードを記録した前年を大きく上回る結果となった。

 降り続く雨にも負けず、雨具に身を包んだ購買者たちは熱心に馬を見て回る。4頭の欠場馬が出たものの、馬体や血統面から厳選された238頭(牡165頭、牝73頭) が上場され、175頭(牡127頭、牝48頭)を売却。売却率73.5%は前年(71.9%)より1.6%増、売上総額も25億2,590万4,000円(税込・以下同)と、前年(20億5,858万8,000円)を大きく上回った。

 せり開始前には同セールで購買された活躍馬の表彰が行われ、チャンピオンズC(GI)などG・Jpn1を10勝あげているホッコータルマエの矢部道晃オーナー、高松宮記念(GI)を制したビッグアーサーの中辻明オーナーに記念品が贈られた。

 最高価格馬に輝いたのは、2歳ファーストシーズンサイアー、ルーラーシップ産駒テンイムホウの2015(牡)。1,200万からスタートした競り合いは一歩も引かず、あっと言う間に値段が跳ね上がっていく。最終的に5,400万円で決着、(同)雅苑興業が落札した。1週間前に行われたセレクトセールでも人気を集めたルーラーシップ産駒。セレクションセールでは9頭中8頭を売却し、種牡馬別売却総額堂々の第1位に輝くなど、高額取引馬を量産した。

 2番目の高額馬は、1歳世代が初年度となる新種牡馬ロードカナロア産駒のレオソレイユ2015(牡)。半兄に京王杯2歳S(G2)など重賞2勝のレオアクティブを持つ血統馬は、4,428万円で鈴木可一氏に落札された。ロードカナロア産駒も人気で、上場14頭中10頭を売却。種牡馬別売却総額ランキングでもルーラーシップに次ぐ2位となった。

 3番目の高額取引となった4,212万円で落札されたのは2頭。ルーラーシップ産駒で、半姉にショウリュウムーンがいるムーンザドリームの2015(牡)と、1年間限定で日本に供用されていたハードスパン産駒のダイワエンジェルの2015(牡)。ムーンザドリームの2015は曽我司氏に、ダイワエンジェルの2015は里見治氏に、それぞれ落札された。

 また、牝馬では半兄にエイシンバッケン、祖母にエイシンルーデンスという活躍ファミリー出身のエーシンラージシーの2015(父サウスヴィグラス)を2,808万円で(株)キーファーズが落札。牝馬の最高落札馬となった。

 セール終了後、木村貢市場長は「前日に行われた事前展示の段階から、購買者の皆様には積極的に馬を見ていただいて良いせりになりそうだという予感はありました。結果としてはこの数字が示す通り、自分が経験した中で1番いいせりだったと思います。せりの方が高く売れるという意識が生産者に浸透してきていると感じますし、こちらとしてもカタログに上場馬の写真を掲載するなど、要望のあったことは可能な限り実現させていきたいですね。数字が良くなると嬉しい反面、維持していかなくてはならないというプレッシャーもありますが、あまり意識せず、まだやれることはあると考え、一生懸命やっていくのみです」と決意を新たにしていた。