馬産地ニュース

道営重賞・栄冠賞はバンドオンザランが勝利

  • 2016年07月04日
  • 世代最初の勝ち馬は、世代最初の重賞勝ち馬になった
    世代最初の勝ち馬は、世代最初の重賞勝ち馬になった
  • スタッフに迎えられ笑顔をみせる桑村騎手
    スタッフに迎えられ笑顔をみせる桑村騎手
  • 父スズカコーズウェイにとっても産駒初重賞勝利
    父スズカコーズウェイにとっても産駒初重賞勝利
  • 牧場スタッフも大勢駆けつけた口取り写真
    牧場スタッフも大勢駆けつけた口取り写真
  • 今年も角川厩舎&グランド牧場旋風が起こりそうだ
    今年も角川厩舎&グランド牧場旋風が起こりそうだ

   日本一早い新馬戦で注目を集めるホッカイドウ競馬では、6月30日、日本一早い2歳重賞、TVh杯第41回栄冠賞(H2)【アイルハヴアナザー賞】がダート1200mで争われた。

   フレッシュ、アタックチャレンジ競走を勝ち上がった牡馬5頭、牝馬8頭の計13頭が顔を揃え、うち5頭がこれが2戦目という未知数の中、一番人気に推されたのは、今年の新馬勝ち第一号に輝いた新種牡馬スズカコーズウェイ産駒のバンドオンザランだった。2番人気は前走ウィナーズチャレンジ競走でバンドオンザランを破ったサウスヴィグラス産駒の牝馬、ピンクドッグウッド。離れた3番人気にこれで4戦目となるサウスヴィグラス産駒の牡馬、ヒガシウィルウィンが支持を受け、1~5番人気までグランド牧場の生産馬が人気を集めた。

   レースは、向こう正面ポケット地点からスタート。激しい先行争いが展開され、エイシンスカラベ、ラブミーファルコン、ピンクドッグウッド、アップトゥユーらが横一線、直後にサマーダイアリー、ハリアーがつづき3コーナーへ。直線に入るとピンクドッグウッド、アップトゥユーが抜け出し、このまま2頭のマッチレースになるかと思われたが、直後で追い出しを待っていたバンドオンザランが残り100mで2頭を交わし、世代最初の重賞勝利を手にした。勝ち時計1:14.9(晴・良)3/4差の2着には後方待機から飛び込んできたヒガシウィルウィン、さらにアタマ差の3着にカネヒキリ産駒のスーパーステションが入り、先行勢は総崩れという結果だった。

   昨年タイニーダンサー、モダンウーマンでホッカイドウ競馬を席巻した角川秀樹厩舎&グランド牧場産馬は1~3着までを独占し、今年も大ブレイクの予感。リーディングを独走中の桑村真明騎手は2009年のオノユウ、昨年のタイニーダンサーにつづき同レース3勝目。「馬群に入れても怯まず、何の心配もない馬なので安心して乗っていました。4コーナー手前で前が開いて、これなら弾けてくれるだろうと勝利を確信できました。次はJRAに挑戦することになり、血統的には芝も走れると思うので楽しみです」と自信をのぞかせた。

   同レースに5頭エントリーし、1~3、5、6着という好成績を残した角川秀樹調教師は「どんな展開にも対応できるけど、若干瞬発力に欠けるところもあるので、今日のような時計のかかる馬場は好材料だったね。権利を得られたので函館2歳ステークス(G3)に連れていくつもりです。芝は走ってみないとわからないけど、ホッカイドウ競馬代表として結果を出したいです」と意気込んだ。

   バンドオンザランは、父スズカコーズウェイ、母セクシーシューズ、その父パラダイスクリークという血統の2歳牡馬で、新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。父スズカコーズウェイもまたグランド牧場の生産馬であり、2歳世代が初年度産駒。産駒数は7頭と少ないが、同馬を含む2頭がホッカイドウ競馬でデビューしており、勝率100%を誇っている。

   母セクシーシューズはJRAダート中距離で3勝、半姉パワースポット(父スズカマンボ)はTCK女王盃(Jpn3)2着、中山牝馬S(G3)、マーメイドS(G3)、京都牝馬S(G3)3着と、芝ダート問わない活躍を期待できる血統だ。