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道営重賞・コスモバルク記念はウルトラカイザーが勝利

  • 2016年05月06日
  • スタート直後、先団を形成する有力馬たち
    スタート直後、先団を形成する有力馬たち
  • 直線はウルトラカイザーとオヤコダカの一騎打ちとなった
    直線はウルトラカイザーとオヤコダカの一騎打ちとなった
  • 厩舎スタッフに迎えられるウルトラカイザー
    厩舎スタッフに迎えられるウルトラカイザー
  • 雨の中、駆け付けた関係者からは笑顔があふれた
    雨の中、駆け付けた関係者からは笑顔があふれた
  • スタンド内で行われた表彰式
    スタンド内で行われた表彰式

   4月28日、門別競馬場では古馬による最初の重賞レース、サッポロビール杯第6回コスモバルク記念(H3)【ゴールドシップ賞】が距離ダート1800m(外)で行われた。

   今年は4歳~8歳の10頭がエントリー。断然の1番人気に推されたのは、2014年のアンタレスS (G3)優勝馬で、これがホッカイドウ競馬移籍緒戦となるナムラビクター(牡7)。JRA所属のラストレースとなった東京大賞典(G1)では5着と気を吐き、底力を見せつけた。そして、昨年の同レースを制し、連覇に挑むウルトラカイザー(牡8)が2番人気。3番人気には3歳クラシック競走二冠馬オヤコダカ(牡4)が支持を集めた。

   夕方から降り出した雨は強くなったり弱まったりを繰り返し、小雨に変わった頃レースはスタート。真っ先に飛び出したのはスタンドアウトとオヤコダカ、外からウルトラカイザー、クラバズーカーがつづき、その直後にナムラビクターという隊列で最初のコーナーを周る。レースは淀みなく進み、3コーナーでペースが上がると先行していたスタンドアウトが脱落、スムーズに先行した時のオヤコダカほど怖いものはないのだが、ナムラビクターをけん制するあまり楽に行かせてしまった。4コーナーのコーナーワークでウルトラカイザーがオヤコダカを捕らえにかかるも、粘るオヤコダカ。直線では後続を大きく引き離し、21歳の石川倭騎手&4歳のオヤコダカ対51歳の井上俊彦騎手&8歳のウルトラカイザーのマッチレースが展開された。ゴール板に先に飛び込んだのはウルトラカイザーで、古豪チームに軍配があがったが、着差はわずかハナ差。3着コルージャとの着差は「大差」と表示された。勝ち時計は1:54:9(雨・良)。

   鞍上の井上俊彦騎手、管理する林和弘調教師は2013年のショウリダバンザイ、2014年のバルーンに続き同レース4年連続勝利、井上騎手はこの勝利でホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利(51歳14日)を記録しており「道中流れも良くこの馬には絶好の展開でしたから、これなら大丈夫かなと手応えはありました。後ろから来るであろうナムラビクターを意識しながらオヤコダカを追いましたが、かなりしぶとくて一瞬ダメかと思いましたよ。馬の力で勝たせてもらったので、今後もウルトラカイザーに負担をかけないように、大事に乗っていきたいです。最高齢重賞勝利騎手?恥ずかしいなぁ、これからも頑張ります」と照れ笑いを浮かべていた。

   また、林和弘調教師は「昨年の秋より体調が良かったので期待はしていました。8歳でこれだけのレースができるんだから、本当に偉い、凄い馬です。ローテーションは昨年と同じ感じになると思いますが、とにかく無事に、万全の体調で出走できるよう調整していきます」と笑顔で語った。

   ウルトラカイザーは新冠町のつつみ牧場生産馬で、父レギュラーメンバー、母ローレルワルツ、母の父ダイナレターという血統。半兄にアルゼンチン共和国杯(G2)、七夕賞(G3)を制したアスカクリチャンがいる。