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ホッカイドウ競馬で今年最初の2歳新馬戦

  • 2016年04月22日
  • 2歳世代最初の勝ち馬になったバンドオンザラン
    2歳世代最初の勝ち馬になったバンドオンザラン
  • 圧倒的な1番人気に応えて勝利
    圧倒的な1番人気に応えて勝利
  • 笑顔で口取り写真に納まる喜びの関係者
    笑顔で口取り写真に納まる喜びの関係者

   4月20日、ホッカイドウ競馬が開幕した日高町門別にある門別競馬場において、今年最初の2歳新馬戦が全国の競馬場に先駆けて行われた。

   開幕初日の5レースに組まれた新馬戦は、2016開幕記念JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走(ダート1200m)。重賞級の1着賞金300万円をかけ、8頭立てのところ、2頭が取り消して6頭で争われた。

   人気は、3月17日に行われた競走能力・発走調教検査(以下能検)において、50秒3の1番時計で駆け抜けた、2歳新種牡馬スズカコーズウェイの産駒となるバンドオンザラン。以下、プリサイスエンド産駒のタイセイプロスパー、こちらも2歳新種牡馬リーチザクラウンの産駒となるティーズハーバー、スマートファルコン産駒のカフジルビーと続いた。

   レースはエブリモーニングが先手を奪い、タイセイプロスパーが追走。人気のバンドオンザランは3、4番手を進んだ。直線に入り、タイセイプロスパーが差を広げ逃げ込みを図るところを、バンドオンザランが内から交わして先頭に立ち、最後は3/4馬身差でゴールした。勝ちタイムは1分15秒8。

   2014年生産の2歳世代で最初の勝ち馬になったバンドオンザランは、角川秀樹厩舎の管理馬。父スズカコーズウェイ、母セクシーシューズ、母の父パラダイスクリークという血統の鹿毛の牡馬で、今年のTCK女王盃(Jpn3)2着パワースポットの半弟。新ひだか町静内のグランド牧場生産となる。グランド牧場生産馬は昨年も、タイニーダンサー、モダンウーマン、ジャーニーマンらが、ホッカイドウ競馬の2歳戦で活躍。今年も新たな逸材を送り込んできた。

   手綱を取った阿部龍騎手は、検量室前で角川秀樹調教師とがっちり握手。「これからも楽しみです」と白い歯を見せた。

   バンドオンザランの父スズカコーズウェイは、父ジャイアンツコーズウェイ、母フレンチリヴィエラ、母の父フレンチデピュティという血統。バンドオンザランと同じくグランド牧場生産馬で、現役時代は2009年の京王杯スプリングカップ(G2)など44戦6勝の成績を残した。

   現役引退後の2013年に新ひだか町静内にあるアロースタッドで種牡馬入り。初年度産駒の血統登録頭数は7頭と少ないながらも、最初の出走馬で大輪を咲かせた。

   2014年生産の2歳世代で最初の勝ち馬の父になったのに加え、今年の2歳新種牡馬25頭のなかで最初に初勝利をあげた、スズカコーズウェイ事務局の(有)ホースバンク三浦秀樹社長は、「勝って良かったです。スズカコーズウェイは、これまでオーナー関係者の種付けがほとんどでしたが、バンドオンザランが能検で良い走りを披露したことで他方からの申し込みが増え、今年はすでに24頭に種付けをしています。今日の勝利でさらにたくさんの繁殖が集まってくれたら嬉しいです」と笑顔で語った。

   スズカコーズウェイの今年の種付料は、20万円(受胎確認後10月末支払い。フリーリターン特約付き)となっている。